2010年06月12日

時代とともに変わる「顔」最近は一見しただけではどこなのか分からない・・・ 天風録 八葉蓮華

 駅前にはその土地ならではの「顔」がある。例えば東京はどっしりと風格を漂わす丸ビルや中央郵便局。名古屋といえば、地球儀そっくりの屋上看板があったビルが浮かぶ。車窓からでも、街や暮らす人の手触りを感じるものだ

 先日、京都駅を出て思わぬ人波にもまれた。駅のすぐ南側に7階建ての大型商業施設が開業したばかり。スーパーやシネコン(複合映画館)、専門店など130店が入るという。古都にふさわしい新たな顔となるのかどうか

 時代とともに変わるのは当たり前で、広島や福山などもご多分に漏れない。大手スーパーやビジネスホテルが駅前の一等地を占めた高度成長のころ。消費者金融の看板も競い合った。今や再開発の高層マンションやホテルが主役になりつつある。デパートが撤退して空き地になった所も

 昭和の時代に各地を歩いた民俗学者の宮本常一は、10万枚に及ぶ膨大な写真を残している。旅の途中で降り立った駅前の街並みや店先のスナップも数多いという。日常のありふれた風景の向こうに、街の活気や人々の暮らしぶりを見て取ったようだ

 当時と違い、最近は一見しただけではどこなのか分からない。そんな特徴のない駅前が増えたような気がする。何げなく見過ごしているわが街はどうだろう。

 天風録 中国新聞 2010年6月8日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:43| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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