降板のあいさつで締めくくりに持ち出したのは野鳥の話。首相宅の庭に寄りつくヒヨドリとそっくりな1羽を、首脳会談で渡った韓国のホテルで見かけたという。「そろそろ戻ってこいよ」と呼ばれた気がする、と。国民にそっぽを向かれ、耐えきれなくなった胸中を重ねたかったのだろうか
名前をだしにされて気の毒だが、首相には鳥にちなむ余談がついて回った。「米国からはチキン(臆病(おくびょう)者)とみられ、中国にはカモにされ、政権交代に夢をかけた有権者の目にはサギと映っている」。笑って済まされない小話が広まったこともある
1月末の施政方針演説では「いのち」や「平和」を連発。ハト派ぶりを際立たせ、非暴力で知られるマハトマ・ガンジーを引き合いに理想をうたった。しかし実権を握るのは幹事長。野党から「小鳩内閣」とやゆされ続けた
年端もいかないまま失速したひな鳥の新政権。再び翼を広げ、約束の地を目指せるだろうか。ルートを引き直すことを勧めたい。安定飛行には民意という風も欠かせぬことをお忘れなく。
天風録 中国新聞 2010年6月3日
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