2010年06月06日

もうすぐ梅雨入り 季節の移ろいに心を響かす五感も磨きたい・・・ 天風録 八葉蓮華

 「お日様に暈(かさ)がかかると雨」。幼いころ、祖母から教わった。太陽の周りに薄雲がかかって光の輪ができる。低気圧が近づく前触れなのだという。経験を土台にした、昔の人たちの観察眼に感心する

 自然にかかわる言葉も豊かだった。例えば風。漁師たちは吹く時季や強弱、天候などで言い分けた。同じ南風でもマジ、ハエ、ヤマジなどさまざま。全国を調べた民俗学者柳田国男は、風の呼び名を900も書き連ねている

 空を見上げ、風を感じ、時には虫や草木の様子を見る。「観天望気」による気象予測は、暮らしの知恵だったのだろう。やがて気圧計や温度計などを使った近代的な観測が始まる。東京気象台ができた1875年6月1日のことだ

 天気予報はその後、レーダーや気象衛星、スーパーコンピューターも加わり、どんどん進化してきた。先週からは大雨や洪水などの警報、注意報が、全国の市区町村ごとに細かく分けて発表されている。警報が出ていたのに肩すかし、ということも減るかもしれない

 天気予報の的中率は80%台。昔に比べると、ずいぶん当たるようになった気もする。ただ100%となるのは難しいだろう。もうすぐ梅雨入り。ハイテク情報に頼るだけでなく、季節の移ろいに心を響かす五感も磨きたい。

 天風録 中国新聞 2010年6月1日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:43| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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