2010年06月03日

迷走した末に、米軍普天間飛行場の移設先は、辺野古沖に舞い戻った・・・ 天風録 八葉蓮華

 ひすいの輝き―。沖縄県名護市の辺野古沖に浮かぶ小島から海を眺め、実感した。だが、うっとり気分も長く続かなかった。シュノーケルを着けて岸に上がってきた数人の若者。対岸に広がる米軍キャンプ・シュワブの海兵隊員だった

 隆々たる腕や胸にはタトゥー(入れ墨)も。非番なのか、ダイビングを楽しんでいるようだ。表情にはあどけなさが残る。あいさつ代わりに手を上げると、照れたように同じしぐさを返してきた

 「辺野古の海の写真は、志願兵を募るPRにも使われているそうです」。地元市議の東(ひがし)恩納(おんな)琢磨さん(48)が教えてくれた。南海の楽園のような景色が、兵士になろうという気にさせるのかもしれない。入隊者には移民などヒン困層の若者が多いとも聞いた

 世界のどこかで戦火が上がれば、明日の命も知れない隊員たち。基地に反対する東恩納さんらの市民グループは毎年、クリスマスカードを配っている。「戦地ではなく、お母さんのもとへ」。家族への愛に基地の内も外もない

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先は、辺野古沖に舞い戻った。政権が迷走した末の結論に、失望と怒りが沖縄に渦巻く。ジュゴンが泳ぎ、サンゴが群生する「ちゅら(美しい)海」は、戦地へ飛び立つ滑走路になるのだろうか。

 天風録 中国新聞 2010年5月29日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:43| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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