2010年05月20日

参院選への立候補を断念「参院のドン」政治の舞台がまた一つ回った・・・ 天風録 八葉蓮華

 「いま、静かにその歩みを止める時が来たと決意しました」。病床から引退表明する竹下登元首相の声がテープで流れる自民党本部。秘書、側近として元首相に仕えてきた青木幹雄氏は目を潤ませた。官房長官の任にあった2000年5月のことだ

 ちょうど10年後。今度は青木氏が夏の参院選への立候補を断念したとのニュースが飛び込んできた。脳梗塞(こうそく)と診断された入院先で「選挙をやっていく自信がない」と意向を伝えたという。くしくも元首相と同じように、体調不良が引き金になった

 ともに早大雄弁会の出身。県議を経て国会議員、党幹部そして大臣に上り詰める軌跡はそっくり重なり合う。「参院のドン」と呼ばれるほど、隠然たる政治力を見せつけた青木氏。野党との太いパイプや根回しの才は「師」に勝るとも劣るまい

 すご腕ぶりを物語るのが歴代首相とのエピソードだ。脳梗塞で倒れた小渕恵三氏から森喜朗氏への密室の交代劇を仕掛けたり、水と油だったはずの小泉純一郎氏と手を組んだり…。「逆臣」と陰口をたたかれたこともあった

 元首相の出雲弁「だわな」は有名だった。青木氏は「だわね」。土の香りのするお国言葉が永田町で聞けなくなるのは寂しい気もする。政治の舞台がまた一つ回ったということだろうか。

 天風録 中国新聞 2010年5月16日
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posted by 蓮華 at 23:42| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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