日本は政党があっても藩閥が牛耳る時代。市民の選挙で政権が代わる流儀には驚いたに違いない。帰国後、「相互に相互を研究し啓発する」と、ライバル同士が競い合う効用を論じた。一方で、二大政党も「単に採決に便宜なる」制度にすぎないと見抜いていた
それから1世紀。英総選挙は労働党が大敗し、第1党の座を奪い返した保守党も過半数に届かなかった。どちらも勝者といえない36年ぶりの「中ぶらりん議会」だ。政策が似通い、新味のないところに割って入った第三極の自民党。先行きはなかなか見えない
揺らぐ本家本元。片や日本はやっと二大政党の時代になり、選挙で政権が代わったばかり。英国をお手本にしようとしている民主党の面々も、胸中穏やかではあるまい。政権の足元がぐらつく中で近づく参院選。こちらも第三極の足音が迫る
二大政党制は「偶然のような必然のような歴史を有している」と100年前の漱石は書いた。参院選の結果いかんでは合従連衡も取りざたされそうだ。単に採決に便宜のためなら、二大政党の看板が泣く。
天風録 中国新聞 2010年5月8日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録