2010年05月05日

ほかの場所へ、努力を続ければ、いつかは成し遂げられる・・・ 天風録 八葉蓮華

 昔、中国にという老人がいた。家の前に山が二つあり、出入りにも不便をかこつ始末。そこで山を移そうと思い立つ。「長年こうして暮らしてきたのだから」と反対する妻を説き伏せ、家族総出で山を崩し始めた

 だが「箕(み)」と「もっこ」の作業は遅々として進まない。近所の人が笑うと、愚公は答えた。「わしがシんでも子孫が尽きることはない。必ず平らにできる」。愚かな者でも努力を続ければ、いつかは成し遂げられる。「列子」にあるたとえ話だ

 愚か、変わり者の意味もある「ルーピー」と米紙に皮肉られた鳩山由紀夫首相。国会で「私は愚かな首相かもしれない」と答弁したことも話題を呼んだ。普天間飛行場の移設をめぐり自ら5月末の期限を設けておきながら、場当たりの対応を繰り返すばかり。そんなゴタゴタをやゆしたのは間違いあるまい

 その首相がやっと動きだした。おととい徳之島出身の元衆院議員と会い、地元町長との会談の仲介を頼んだ。4日には沖縄を訪問する考えと伝えられる。身から出たさびと言えばそれまでだが、何とか事態を打開したいとの思いだろう

 物語では、愚公のたゆまぬ努力に感心した天帝が、ほかの場所へ山を移してやった。そのひそみに首相が倣うにしては、誠意も時間もなさすぎないか。

 天風録 中国新聞 2010年4月30日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:30| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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