借金まみれでは、EU通貨のユーロを使う国の仲間に入れない。そこで政府は帳簿に赤字を増やさない形での危ない資金調達に手を染めた。見かけ上の借金を吹き飛ばし、ギリシャ丸はユーロ圏へまっしぐら。米大手金融機関が加担した取引は、アイオロスと呼ばれたそうだ
昨秋の政権交代で、ごまかしがばれた。ばらまきが目立つ「大きな政府」は、実は沈みゆく船だったのだ。あわてて増税や公務員の給与カットにかじを切ったが、時すでに遅し。助け舟をと泣きつかれたユーロ圏も大揺れだ
同じ昨秋に交代した鳩山政権。マニフェストはばらまきとの批判を、「無駄を省けば財源はいくらでもある」と受け流した。腕まくりで事業仕分けに臨んだが、金額的には期待はずれ。仕分け第2弾は心なしか淡々と進んだ印象だ
ギリシャ以上の借金大国である。「出(い)ずるを制す」に限りがあれば、「入りを量る」新たなすべを考えて国民に問う。それが、ごまかしのない政治だろう。借金を丸ごと帳消しにするような神風は吹くはずもない。
天風録 中国新聞 2010年4月29日
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