2010年05月03日

検察審査会「市民目線」裁判員制度とともに権限が強化され・・・ 天風録 八葉蓮華

 「市民」という言葉は、既に三国志の時代にあったらしい。1800年ほど前、魏の曹操が招いた学者の書いた本に出てくる。山中に住む「山民」に対し、市中で暮らす人、ぐらいの意味合いだった

 幕末から明治にかけて、日本で新たなイメージが加わる。西洋の思想を受け入れる際、英語の「シチズン」の訳として使われた。国家の政治に物申す人々という意味。戦後は「市民団体」「市民運動」と、この言葉抜きでは民主主義を語れないほどになった

 いま多くの市民が物申したいのは政治とカネの問題だろう。せっかく政権交代しても疑惑が後を絶たない。もやもやは募るばかり。折しも法曹界の扉が市民に向けて開かれた。裁判員制度とともに権限が強化された検察審査会だ

 「市民目線」から許し難い―。きのう「小沢一郎民主党幹事長は起訴相当」とする判断を突きつけた。審査員11人が一致したという。もう1回議決すれば強制起訴となる。なのに小沢氏は「与えられた職務を淡々とこなす」とあっさり続投を表明した。あまりにずれた感覚のようにも見える

 今回の市民の揺さぶりを「マグニチュード8」の衝撃に例える野党の政治家もいた。民意との間に生じた「ずれ」。元に戻すような一大地殻変動が始まるのか、どうか。

 天風録 中国新聞 2010年4月28日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:38| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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