幕末から明治にかけて、日本で新たなイメージが加わる。西洋の思想を受け入れる際、英語の「シチズン」の訳として使われた。国家の政治に物申す人々という意味。戦後は「市民団体」「市民運動」と、この言葉抜きでは民主主義を語れないほどになった
いま多くの市民が物申したいのは政治とカネの問題だろう。せっかく政権交代しても疑惑が後を絶たない。もやもやは募るばかり。折しも法曹界の扉が市民に向けて開かれた。裁判員制度とともに権限が強化された検察審査会だ
「市民目線」から許し難い―。きのう「小沢一郎民主党幹事長は起訴相当」とする判断を突きつけた。審査員11人が一致したという。もう1回議決すれば強制起訴となる。なのに小沢氏は「与えられた職務を淡々とこなす」とあっさり続投を表明した。あまりにずれた感覚のようにも見える
今回の市民の揺さぶりを「マグニチュード8」の衝撃に例える野党の政治家もいた。民意との間に生じた「ずれ」。元に戻すような一大地殻変動が始まるのか、どうか。
天風録 中国新聞 2010年4月28日
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