15年前から撮り続ける上中道夫さん(63)=広島市西区。「眺めると優しくなれる」と田舎道を歩く。地蔵が額を寄せ合う作品は目線の先にツバキを置き、今にもしゃべりだしそう。これほど豊かな面ざしなのか。その魅力にハッとさせられた
曲がったキュウリやナス、ゆがんだタマネギ、大きくなりすぎたホウレンソウ…。今まで見向きもされなかったのは、こんな野菜も同じだ。「規格外」として市場には出回らなかった。それが最近は店先でよく見かける
このところの不順な天候のあおりで野菜の高値が続いている。いつもの年の倍近くも跳ね上がった品もある。そこで、スーパーなどがふぞろいの野菜に目を向けるようになった。消費者にとっても家計を助けてくれる心強い味方だろう
ただ安いだけではない。さして味に変わりはないし、よくよく見れば個性あふれる形は、ユーモアさえ感じる。あらためて自然のおおらかさに気付かされるようだ。野仏を見つめると優しくなれるように、何げなく口にしている食べ物がいとおしく思えてくる。
天風録 中国新聞 2010年4月27日
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