2010年04月21日

支え合う「道しるべ」があれば勇気づけられるに違いない・・・ 天風録 八葉蓮華

 ジャーナリストの児玉隆也さんは国立がんセンターを初めて受診した日、トイレの落書きが目に焼き付いた。「神様、私の癌(がん)を治してください」。田中角栄元首相の金脈追及で一躍、名をはせた1974年の暮れのことだ

 末期の肺がんと闘う自らの姿を見つめたルポ「ガン病棟の九十九日」にあるエピソード。執筆を終えておよそ1カ月後、38歳の若さで亡くなった。患者としての赤裸々な思い、家族への気配り。単行本が出版されて35年になるが、読み返すたび胸を打たれる

 この先、どんな治療や副作用が待っているのだろうか。同じような病気の人は不安にどう向き合っているのか…。わらにもすがりたい患者や家族は、先輩患者が書いた「道しるべ」があれば勇気づけられるに違いない

 「がん闘病記 読書案内」を編んだ星野史雄さんは、同じ立場に立たされた病友の告白だから心に響くという。妻の乳がんを機に始めた専門の古書店で集めた本は2360冊。最近は広島市立中央図書館のように、病気別のコーナーを設ける図書館も増えてきた

 本だけでなく、インターネット上で病気を語るブログもめじろ押しだ。手軽に闘病記が書けるサイトまである。書き手と読み手がつながり、支え合う。そんな時代になったのだろう。

 天風録 中国新聞 2010年4月16日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:37| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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