摘み取ったばかりの花芽も使う。はぐくまれた命を余すことなくいただくのが作法だ。白だしと砂糖、みりんを混ぜたタレに漬ける。3、4日もすれば、味がなじんでくる
さっと湯にくぐらせて振り続け、辛味を引き出すやり方もある。わさびを「たまがす」のだという。熱湯をかけられ振り回されるわさびは、さぞびっくり仰天するに違いない。もっとも、たまがせ過ぎると、しなびてしまう。そのころ合いがミソだ
日本にしかない独特の辛さ。最近は豆やチップス、チーズ、ソーセージといった加工品が花盛りだ。抗菌シートは弁当でおなじみ。消臭スプレーもある。耳の不自由な人のために、わさびのにおいで火事を知らせる機器までお目見えしたそうだ
通勤の道すがら、スーツ姿も初々しい若者たちと出会うようになった。さっそく一線の職場に出て上司や先輩たちにもまれ、目を丸くしたり落ち込んだりすることも多いかもしれない。人を育てるのも、上手にたまがすことがコツなのだろう。
天風録 中国新聞 2010年4月7日
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