「弱いから負けた。雨はお互いさま」と指揮官。両チームが近くに陣取る試合後のインタビューは非情だ。負けたら「敗軍の将は兵を語らず」と断りたいのが本心だろう。無念さを押しコロしていたのではないか
逆に不用意な発言が思わぬ波紋を広げ、自身の進退に及んだケースもある。初戦で21世紀枠の出場校に敗れ「末代までの恥」と漏らした開星の前監督だ。昨秋の中国大会優勝を誇る。戦績よりも地域とのつながりなどを評価されて選ばれたチームに、よもやの結果。自らを責めたのだろう
強豪校が21世紀枠校をくみしやすいとみるのは本音かもしれない。懐具合の豊かな学校が有力選手を全国から集める特待生の問題が背景にありそうだ。だから実力本位とは別枠の選出も、春の甲子園の「特色」かなという気がする
野球に限らず、決まり事で若者を縛りすぎるのは禁物だろう。きょうが命日の高村光太郎は「春駒」の詩で「のびやかな、素直な、うひうひしい」と3歳の栗毛(くりげ)をたたえる。広陵ナインも夏にそんなプレーを見せてほしい。
天風録 中国新聞 2010年4月2日
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