2010年04月05日

子どもの夢に力添え「宝探し」命にぎわう里山を後世に・・・ 天風録 八葉蓮華

 草っぱらに腹ばいで小学生がカメラを構える。その鼻先をカマキリが悠然と横切っていったのだろう。「どちらへお出かけ?」「ちょっとそこまで」。そんなやりとりが聞こえてきそうな写真集を広島県北広島町の雲月(うづつき)小が作った

 17人の全校児童が撮影と編集の二役を手分けして、1年がかりで仕上げたという。ロケ先は学校近くのなだらかな雲月山。何度も登り、四季折々の山野草や生き物の表情を240枚ほどのカラー写真に切り取った。題は「雲月のたから」と付けた

 写真説明にも、友達感覚で自然と向き合う子どものまなざしがにじむ。放牧中の牛と目が合った瞬間を収めた1枚は「ちゅうモーく」。盗掘を免れ、うつむき加減に花を開いたカキランには「友達が少なくなって大変だね」と添えている

 子どもの夢に力添えする公募事業で取り上げられ、出版にこぎ着けた。湯崎英彦知事の招きで県庁を訪れ「玄人顔負けの出来栄え」と褒められた。「宝探し」行脚を始めた知事には、児童らの眼力が頼もしかろう

 八幡湿原という生態系の宝庫を守り、雲月山に芽吹きを促す春の野焼きもよみがえらせた北広島町。命にぎわう里山を後世に残す生物多様性条例も定めた。古里を思う子どもや大人の心こそ、かけがえのない宝だ。

 天風録 中国新聞 2010年3月30日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:38| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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