神事に限らず、相撲と稲作には浅からぬ縁がありそうだ。例えば、稲わらを編んで勝負の場を限る土俵。畦(あぜ)に囲まれた水田を連想させなくもない。そういえば、力士のすり足も田んぼでの足運びに似ている。そんな所作は足腰の強さをはぐくんできた
瑞穂(みずほ)の国のイメージが薄れてきたせいか、角界で日本人が振るわない。気を吐くのは大草原の国から来たモンゴル勢だ。遊牧民らしく、かの地の相撲に土俵はなく、押し出しもない。それでもルールの違いをものともしないパワーには舌を巻く
バルト海に面したライ麦畑の国からも、角界を背負う偉丈夫が現れた。エストニア出身の把瑠都関だ。きのうの千秋楽も勝ち、大関昇進を決定づけた。腕っぷしがめっぽう強い巨体に似合わず、ちゃめっ気がある。一人横綱の白鵬関を追う存在になるか
黒パンで育った把瑠都関も郷に入れば郷に従え。都内の小学校で毎日食べるご飯の量を聞かれ、「30杯くらいかな」と答えたという。稲の精霊が宿ったような強さに見える。
天風録 中国新聞 2010年3月29日
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