2010年04月04日

一人横綱を追う、ライ麦畑の国から角界を背負う偉丈夫・・・ 天風録 八葉蓮華

 力士が一人で土俵に上がり目に見えない稲の精霊を相手にする。一見、ユーモラスな動きだが真剣そのもの。見事、精霊が勝って豊作が約束される―。しまなみ海道に沿った大三島(今治市)の大山祇神社に伝わる一人相撲である

 神事に限らず、相撲と稲作には浅からぬ縁がありそうだ。例えば、稲わらを編んで勝負の場を限る土俵。畦(あぜ)に囲まれた水田を連想させなくもない。そういえば、力士のすり足も田んぼでの足運びに似ている。そんな所作は足腰の強さをはぐくんできた

 瑞穂(みずほ)の国のイメージが薄れてきたせいか、角界で日本人が振るわない。気を吐くのは大草原の国から来たモンゴル勢だ。遊牧民らしく、かの地の相撲に土俵はなく、押し出しもない。それでもルールの違いをものともしないパワーには舌を巻く

 バルト海に面したライ麦畑の国からも、角界を背負う偉丈夫が現れた。エストニア出身の把瑠都関だ。きのうの千秋楽も勝ち、大関昇進を決定づけた。腕っぷしがめっぽう強い巨体に似合わず、ちゃめっ気がある。一人横綱の白鵬関を追う存在になるか

 黒パンで育った把瑠都関も郷に入れば郷に従え。都内の小学校で毎日食べるご飯の量を聞かれ、「30杯くらいかな」と答えたという。稲の精霊が宿ったような強さに見える。

 天風録 中国新聞 2010年3月29日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:41| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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