思い浮かべれば、つばがわいてくるレモンだ。イノシシが嫌うのも分かる気がする。そのためだけではなかろうが、島ではレモンに転換するかんきつ農家が増えている。広島県の生産量はこの10年ほどで約3倍に。国産全体の3分の2を占める
実は、戦前もレモン王国だった広島。明治時代から栽培が始まり、輸出していた時期もある。温暖で雨が少ない気候は栽培にもってこい。強い風もあまり吹かず、枝にあるトゲで実に傷がつく心配も少ない。穏やかな風土が、質の高いレモンをはぐくんできたのだろう
最近は安心・安全をうたい文句に、生だけではなく、加工された商品も店頭で見かけるようになった。ポン酢、レモンティー、ケーキ…。大手メーカーも「広島レモン」と銘打った搾り汁を全国で売り出したばかりだ
あの強烈な酸っぱさと香りこそ、レモンの魅力に違いない。こってりした揚げ物をさっぱりさせ、お菓子の甘さを引き立てる。手近に置いて料理に垂らせば、気になる塩分の取りすぎも防いでくれる優れもの。イノシシだけには教えたくない。
天風録 中国新聞 2010年3月17日
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