2010年03月04日

「もう一人の私」ライバルの存在が、原動力・・・ 天風録 八葉蓮華

 宿命のライバルがパーフェクトな演技をした。その直後に銀盤へ上がる気持ちはどんなものだったか。沸き返る会場で、浅田真央選手は両手でヘッドホンを押さえていた。重圧に耐え、ひたすら自らに集中するように

 ラフマニノフの前奏曲「鐘」が流れる。重々しい調べに乗り、赤と黒のコスチュームが躍動する。2回の3回転半ジャンプを見事に決めたが、ぐらつく場面も。演技を終えて「納得していない」と涙ぐんだ。でも一時は出場すら危ぶまれた。価値ある銀ではないか

 失敗続きの3回転半を立て直してきた不屈の精神力。やはり隣国にキム・ヨナ選手がいたからだろう。誕生日が20日違いの19歳で背丈もほぼ同じ。表彰台に並んだ二人ほど、切磋琢磨(せっさたくま)という言葉がぴったりくる関係はあるまい

 13歳での初対決。大差で敗れた金選手は「どうしてあの子が私と同じ時代に生まれたの」と嘆いた。やがて対戦を重ね、自分ならではの流れるような演技に磨きを掛ける。浅田選手のことを「もう一人の私」と思ってきた。そんなライバルの存在が、フリーで最高得点を出す原動力になった

 フィギュア女子にとどまらず、韓国勢の活躍が目覚ましい。すでに金メダルは6個。「もう一人の私」は、国と国の間でも言えることかもしれない。

 天風録 中国新聞 2010年2月27日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:41| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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