2010年03月02日

暮らしの中にある歌「音戸の舟唄」穏やかな海を思わせるスローなリズム・・・ 天風録 八葉蓮華

 つらい作業でも、歌を歌えば気が紛れ、元気も出る。今に伝わる民謡の多くは、もとは仕事歌だ。例えば北海道のソーラン節。骨太のリズムを聞くと、荒海のニシン漁で力強く網を引く情景が浮かぶ

 ♪船頭可哀(かわい)や音戸の瀬戸で…と歌いだす「音戸の舟唄」。こちらは穏やかな海を思わせるスローなリズムだ。ただ時間帯によって変わる潮を乗り切るのは、老練の技が要る。♪一丈五尺の櫓(ろ)がしわる…と続く歌詞に、日に焼けた船乗りの腕っぷしを想像する

 呉市をはじめとする瀬戸内一円では、エビたたきや臼ひきなどの仕事歌にもなっていた。今の音戸の人にとっては暮らしの中にある歌だろう。学校で教わった子どもが風呂の中で父と歌う。病床のお年寄りを見舞って元気づける。古里の記憶そのものだ

 おととし始まった全国大会で、地元勢が活躍したのも合点がいく。合併で消えた「音戸町」の元気づけにと、市などが企画したイベントである。県外から集まる玄人はだしの愛好家の挑戦をはねのけて、本場の心意気を示した

 今年の大会が28日に迫った。ただ張り切っているのは年配の人たち。若い人が入ればパワーアップするに違いない。ソーラン節からは「YOSAKOIソーラン」が生まれた。舟唄が進化する日も来るだろうか。

 天風録 中国新聞 2010年2月25日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:31| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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