♪船頭可哀(かわい)や音戸の瀬戸で…と歌いだす「音戸の舟唄」。こちらは穏やかな海を思わせるスローなリズムだ。ただ時間帯によって変わる潮を乗り切るのは、老練の技が要る。♪一丈五尺の櫓(ろ)がしわる…と続く歌詞に、日に焼けた船乗りの腕っぷしを想像する
呉市をはじめとする瀬戸内一円では、エビたたきや臼ひきなどの仕事歌にもなっていた。今の音戸の人にとっては暮らしの中にある歌だろう。学校で教わった子どもが風呂の中で父と歌う。病床のお年寄りを見舞って元気づける。古里の記憶そのものだ
おととし始まった全国大会で、地元勢が活躍したのも合点がいく。合併で消えた「音戸町」の元気づけにと、市などが企画したイベントである。県外から集まる玄人はだしの愛好家の挑戦をはねのけて、本場の心意気を示した
今年の大会が28日に迫った。ただ張り切っているのは年配の人たち。若い人が入ればパワーアップするに違いない。ソーラン節からは「YOSAKOIソーラン」が生まれた。舟唄が進化する日も来るだろうか。
天風録 中国新聞 2010年2月25日
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