ふりかけである。グルメで知られる漫画家の東海林さだおさんが書いている。「ふりかけたとたん、一切の調理を経ずして瞬間的に色とりどりの味付けゴハンに」。侮れない「変化(へんげ)力」だ。最近はご当地ものも増えている。北海道には「じゃがバター味」、宇都宮には「ギョーザ味」。ここまで世界を広げているとは
そんなふりかけの源流の一つが広島にある、という。地元の食品会社が出した冊子「ふりかけの世界」によると、100年近くさかのぼる大正時代のこと。漬物やつくだ煮をつくっていた創業者のもとに、軍から相談が持ち込まれた
持ち運びが簡単で、保存が利き、栄養価の高い兵隊食はないか―。考えられたのが、魚粉をしょうゆで味付けしたふりかけである。基本の材料はサバやイワシ。瀬戸内の歴史と風土に根差した味だったわけだ
このところ、ふりかけの売れ行きが伸びているという。景気が悪くなり、切り詰めざるを得ない食費。食卓や、手作り弁当のおかずが寂しいこともあるだろう。ふりかけの「お助け力」が頼もしい。
天風録 中国新聞 2010年2月16日
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