2010年02月20日

ふりかけ「お助け力」切り詰めざるを得ない、食卓、弁当・・・ 天風録 八葉蓮華

 考えてみれば不思議な食べ物である。魚や肉、野菜を使っているがおかずとはいえない。ご飯に味を付けるが、単なる調味料でもない。白米に欠けた栄養素を補う意味ではサプリメントのようでも

 ふりかけである。グルメで知られる漫画家の東海林さだおさんが書いている。「ふりかけたとたん、一切の調理を経ずして瞬間的に色とりどりの味付けゴハンに」。侮れない「変化(へんげ)力」だ。最近はご当地ものも増えている。北海道には「じゃがバター味」、宇都宮には「ギョーザ味」。ここまで世界を広げているとは

 そんなふりかけの源流の一つが広島にある、という。地元の食品会社が出した冊子「ふりかけの世界」によると、100年近くさかのぼる大正時代のこと。漬物やつくだ煮をつくっていた創業者のもとに、軍から相談が持ち込まれた

 持ち運びが簡単で、保存が利き、栄養価の高い兵隊食はないか―。考えられたのが、魚粉をしょうゆで味付けしたふりかけである。基本の材料はサバやイワシ。瀬戸内の歴史と風土に根差した味だったわけだ

 このところ、ふりかけの売れ行きが伸びているという。景気が悪くなり、切り詰めざるを得ない食費。食卓や、手作り弁当のおかずが寂しいこともあるだろう。ふりかけの「お助け力」が頼もしい。

 天風録 中国新聞 2010年2月16日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:34| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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