2010年02月19日

「雪のこぶ」大舞台で着実に前へ進んできたこと自体、素晴らしい・・・ 天風録 八葉蓮華

 今回こそメダルを、との期待を一身に背負って五輪に臨んだモーグルの上村愛子選手。あと一歩というところで及ばなかった。インタビューでは、トレードマークの笑顔でなく、涙を見せた

 モーグルの語源は「雪のこぶ」を指すノルウェー語。なるほど、こぶの連なる急斜面を滑り降りる競技にふさわしい名前かもしれない。マイナーだったスポーツを日本でも身近にした選手の一人が上村さんだ

 負けず嫌いで知られる。生まれつき心臓に病気があり、2歳の時に転地療養もかねて雪深い長野に家族で移った。「おかげでスキー選手になったのかな」。そう著書で振り返っている。逆境をバネにして力強さを身に付けてきた

 モーグルとの出合いも、自ら望んだわけではない。いじめに耐えかねてスキー部をやめた中学生のころ、母の勧めで単身カナダへ。心機一転、スキー場に通い詰めたものの、板を盗まれる。代わりに履いてみたのがモーグル用の板だったという

 五輪初挑戦だった長野の7位から、一つずつ順位を上げてきた。「なんで一段一段なんだろう」と悔しがる気持ちもよく分かる。だが大舞台で着実に前へ進んできたこと自体、素晴らしい。人生の「こぶ」にも攻めの姿勢で立ち向かう。だからこそ得られた誇れる「勲章」だろう。

 天風録 中国新聞 2010年2月15日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:41| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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