2010年02月17日

地縁や血縁が薄れ「無縁社会」つながりの糸の切れた現代を象徴する・・・ 天風録 八葉蓮華

 竹やヒノキなどを組んだ高さ20メートルのご神体が燃え上がり、引き倒された。火の粉がはじけ、白い煙が辺りを包む。縁起物のお飾りを取るために、人々が群がる。柳井市に伝わる阿月神明祭。ことしも雨交じりの中で行われた

 国の重要無形民俗文化財に、昨年指定された。小早川隆景の戦勝祈願が起こり。毛利氏の移封などに伴ってこの地に伝わったのは、江戸初期の1644年とも言われる。とんどとも合わさった行事。長年引き継がれているせいか、初めて見ても懐かしい気がする

 「無縁社会」という言葉をNHKテレビで聞く。誰にも知られず、引き取り手のないまま亡くなるケースが増えている。地縁や血縁が薄れ、会社の縁も退職すれば失われる。「無縁シ」はつながりの糸の切れた現代を象徴する

 「おれと同じ境遇だ」「どうせシぬ時は一人」…。インターネット上の掲示板には、番組を見た人からの書き込みが相次いだ。自棄的な言い回しの裏にあるのは、せめてネットで思いを受け止めてほしい、との気持ちだろうか

 ご神体は倒された後もしばらく燃え続ける。周りには人の輪。久しぶりに会った人同士がにぎやかだ。自分を知ってくれている人のいる場の温かさ。「有縁社会」の残り火に当たりながら、しばし立ち去りがたかった。

 天風録 中国新聞 2010年2月13日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:45| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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