学生のころ「シにたいと思う人は自サツしてもいい」と思っていた。世間の見方もそうだった。本人のためには、助けない方がいいのだろうか…。仕事の意義を見失う時があった。亡くなった自サツ研究の第一人者・大原健士郎さんだ
「シにたい、は実は生きたいという叫びだった」と後になって知る。元患者を追跡調査すると、8割もが「助かってよかった」と答えたからだ。その屈折した心理に迫り、社会にはこう訴え続けた。「孤独な魂は手を差し伸べられるのを待っている」
訴えは実を結ばなかったのだろうか。日本の自サツ者は昨年も3万人台で12年連続の高止まりだった。同じ年のサツ人の犠牲者は約千人。交通事故シは4千人台。けた違いのシの累積に、言葉を失う
「僕の仕事はとことん聞き役になること」とも言っている。親身になって耳を傾ける。悩みのはけ口になる。それで孤独が和らぎ、自然治癒力が働くようになるという。あなたも周りの誰かの力になれるかもしれない、との遺言にも聞こえる。
天風録 中国新聞 2010年1月31日
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