持ち前のしなやかな体。脇目も振らない猛げいこ。そこに精神力が加わっての強さだった。師匠でもある父との不和や兄との絶縁騒ぎもあった。あれも、情を断ち切ってまでわが相撲道を貫こうとする決心の表れだったか。今度は日本相撲協会を動かそうとしている
10人を選ぶ理事選。一門ごとに割り振るのが習わしのポストで、長く無投票が続いていた。待っていれば手に入るはずなのに、あえて11人目に手を挙げた。たった一人の反乱に「なに、蟷螂(とうろう=カマキリ)の斧(おの)」と冷ややかな目もあるようだが、いちずさにほだされた親方衆も何人かいる
大麻汚染が鎮まったかと思えば、横綱の暴力ざた。新弟子の志望者も減っている。「精進」や「品格」「礼儀」などによって磨かれるはずの相撲道をふさぐ大岩や小岩。自ら取り除こうということなのだろうか
先輩が動くのを待っておれないという親方のはやる気持ちが、分からなくもない。バッタにそっくりのハンミョウは、歩く人の先へ先へと飛ぶ。別名「道おしえ」の役目を、親方は果たせるかどうか。
天風録 中国新聞 2010年1月29日
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