2010年02月01日

「植物工場」未来型のエコ農業で、狭い国土で自給率も上がる・・・ 天風録 八葉蓮華

 一年中食べていたホウレンソウ。ところがおじいちゃんが裏庭でつくったのを味わったら、冬にしか食べられなくなった。「あまりにも/おいしかったから/季節に きたえられた ふかみどり」。津崎優子さんの詩だ

  こちらの味はどうだろう。ガラス越しに見るのは、広島市の地下街に今月いっぱい展示されている「植物工場」だ。太陽の光も届かず、土もない。それでもトマトは青い実を付け始め、イチゴは甘そうに熟している

 温度や養分などが完全にコントロールされている。太陽に代わるのは発光ダイオード(LED)電球だ。曇った日の日差しより弱いのに、植物が光合成しやすい波長にぴたりと合っているそうだ。LEDと野菜の相性はなかなか、とみえる

 外でいくら長雨や日照りが続いても、青々とした野菜ができる。虫がつかないから農薬も要らない。未来型のエコ農業で、これなら狭い国土で自給率も上がる…と、国も一生懸命に後押ししようとしている

 気温が0度近くまで下がると、葉に含まれる水分が凍らないように、糖分を増やす。それが冬野菜の自衛術だ。おじいちゃんのホウレンソウがおいしいのはそのためらしい。科学の光と、戸外の低温と。それぞれがもたらす味を比べる時代がくるのだろうか。

 天風録 中国新聞 2010年1月27日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 18:00| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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