2010年01月27日

「コンクリートから人へ」政治献金や談合など妙な配合をしなければ・・・ 天風録 八葉蓮華

 戦で版図を広げた古代ローマでは、軍隊が行き来する道路は命綱だった。馬車で通っても石畳がずれないよう目地に埋めたのがモルタル。「すべての道はローマに通ず」の威光は、コンクリートの一種に支えられていた

 木の国・日本でコンクリートが重宝されるのは明治になって。最初は防波堤だった。戦後の高度成長を機に、ビルや道路、新幹線の高架にと国土を覆わんばかりになる。政権交代による「コンクリートから人へ」は、その反動だったかもしれない

 「コンクリートをワル者呼ばわりするな」と土木学者や技術者が異を唱えている。マイナスイメージが独り歩きすれば人材が集まらない。地震などの防災インフラさえ危ぶまれるという。なるほどコンクリートに罪はないが…

 この世界の父と呼ばれる吉田徳次郎の遺訓がある。「良い物を作るにはセメント、水、砂利に正直、親切を加えないといけない」。業界が、政治献金や談合など妙な配合をしなければ、ここまでたたかれずに済んだろうに

 古代ローマは、道路補修に手が回らず衰退したとの説もある。日本では長くて100年の寿命を延ばそうとの研究も盛んなようだ。法隆寺五重塔のように千年を生き延びる「木の文化」を生んだ国の「コンクリ文化」の行方が気になる。

 天風録 中国新聞 2010年1月22日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:42| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。