2010年01月25日

「寒の内」寒風にこそ自らが鍛えられ、個性も研ぎ出される・・・ 天風録 八葉蓮華

 この冬の低温は「北極振動」のせいという。気圧の具合によって、滞ったり動いたりする極地の気団。先月からの吹き出しでは、インドで60人以上が凍シし、欧州は異常低温に震えた。日本はドカ雪。きょうの大寒は一服状態だが、再度の気団南下が警戒されている

 「寒といふ字に金石の響あり」と、高浜虚子が詠んでいる。大寒を中心としたほぼ1カ月の「寒の内」は年間で最も寒い。鋭く張り詰めたような冷気は確かに、たたけばキーンと音がするかのようだ

 とはいえ低温の恵みもある。例えば腐らないとされる「寒の水」。酒やみそを仕込むにはもってこいだ。和紙もパリッと仕上がるのは寒漉(す)き。染め物を川にさらせば生地や色が引き締まり、材木を漬けておけば虫が付きにくくなるという

 寒風の功徳もある。そうめんは寒ざらしによって風味を増す。サケやアユのうまみが引き出されるのは、寒干しならでは。寒さには、モノを鍛えることでその本質を磨き出す作用があるのか、とさえ思う

 きのう会社更生法の申請に追い込まれた日本航空。国会で幹事長の土地購入疑惑が追及された民主党。北極の冷気に吹き付けられた気分だろう。ここで当事者が、寒風にこそ自らが鍛えられ、個性も研ぎ出される―と思えるかどうか。

 天風録 中国新聞 2010年1月20日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:51| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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