2010年01月21日

湯の町ゆう太くん「美人美肌の湯」湯田温泉・・・ 天風録 八葉蓮華

「虎の威を借る」など、中国の故事ではあまり好意的なイメージがないキツネ。ところが山口市の湯田温泉では「恩人」とされている。白キツネが毎晩傷を治しに池にやってくるのを見た寺の和尚が、いで湯を掘り当てたとの言い伝えがあるからだ

 その「功」をたたえてJR駅前には、大きな白キツネ像が立っている。その名も「湯の町ゆう太くん」。商店街のあちこちに石彫りの「招きキツネ」も置かれる。今度は着ぐるみがデビューすることになった

 大地震でいったん枯れた湯が、再びわき出すようになったのは江戸時代。今年がちょうど300年に当たる。そのPRに一役買ってもらおうとの作戦だ。キャラバンを組んで、西日本各地を回り始めている

 「美人美肌の湯」として知られ、浴衣姿の人たちで華やいでいた温泉街。今や客は最盛期の6割まで落ちている。街中という立地では、最近の秘湯ブームにも乗り切れない。キツネにあやかって虎の勢いを、ということらしい

 「あゝ おまへはなにをして来たのだと…/吹き来る風が私に云ふ」。東京から古里・湯田温泉に帰ってきた中原中也はうたっている。ほのかな湯気は、繊細で傷つきやすい詩人の魂をも癒やしたに違いない。文学の薫りもまた、この温泉の「効能」だ。

 天風録 中国新聞 2010年1月16日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:52| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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