その「功」をたたえてJR駅前には、大きな白キツネ像が立っている。その名も「湯の町ゆう太くん」。商店街のあちこちに石彫りの「招きキツネ」も置かれる。今度は着ぐるみがデビューすることになった
大地震でいったん枯れた湯が、再びわき出すようになったのは江戸時代。今年がちょうど300年に当たる。そのPRに一役買ってもらおうとの作戦だ。キャラバンを組んで、西日本各地を回り始めている
「美人美肌の湯」として知られ、浴衣姿の人たちで華やいでいた温泉街。今や客は最盛期の6割まで落ちている。街中という立地では、最近の秘湯ブームにも乗り切れない。キツネにあやかって虎の勢いを、ということらしい
「あゝ おまへはなにをして来たのだと…/吹き来る風が私に云ふ」。東京から古里・湯田温泉に帰ってきた中原中也はうたっている。ほのかな湯気は、繊細で傷つきやすい詩人の魂をも癒やしたに違いない。文学の薫りもまた、この温泉の「効能」だ。
天風録 中国新聞 2010年1月16日
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