2010年01月05日

初日の出「輝きのある日本」新しい人間として新しい生活を始める・・・ 天風録 八葉蓮華

 昭和初年の大みそか。種田山頭火は漂泊の旅の途中、九州の炭坑町で足を休めた。「おだやかに沈みゆく太陽を見送りながら、私は自然に合掌した」と日記にある。年を締めくくる落日が、執着や欲望をぬぐい去ってくれると感じたのだろうか

 明けて元日の朝に拝む日の出は、さしずめ幸せや希望のシンボル。日本では古来、闇に差し込む光とともに年神が降りてくると信じられてきた。神話の天照大神も太陽の神だ。初日の出ツアーに海外まで出掛けるなぞ、外国人は理解に苦しむに違いない

 きょうから民間気象会社の「初日の出情報」が始まる。地点ごとに雲の厚さも勘案し、太陽が現れる時刻を1分単位で予想。携帯サイトで提供するという。寒風に震え今か今かと待つからこそ、御利益がある気もするが

 ようやく新しい経済成長戦略を決めた政府。柱の一つとする環境・エネルギー分野に、太陽光発電などの拡大を据える。底冷えが続く中、目指す「輝きのある日本」の実現は太陽頼みの感が強い

 山頭火は「来年からは新しい人間として新しい生活を始める」と続けている。人々が新年に託す願いは、いつもに増して切実だろう。元日にかけて冬型が強まる見込みの中国地方。せめて雲のすき間からでも、御来光を拝めれば。

 天風録 中国新聞 2009年12月31日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:43| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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