島をあなただけのものにしませんか―。呉市沖に浮かぶ無人島を、財務省が近く競りにかける。先ごろの事前説明会には首都圏からも買い手が集まった。「ロマンを感じる」「自分だけの釣り場に」と本気モードだ
船着き場もなければ、もちろん電気や水道はない。何もないからこそ試せるということもあるだろう。この夏、関西の大手企業が若手幹部のサバイバル研修を始めたのは、松山市近くの無人島だった
人気作家の村上春樹さんも十数年前、犬一匹いない柳井市沖の烏島(からすじま)で一昼夜を過ごしている。「真っ裸になってする日光浴の何と気持ちよいこと」。誰にも見られていない解放感がたまらなかった、とエッセーに書いている
呉かいわいでは、落札額は数百万円と予想されているようだ。「私の島」を持つのはひっそりしたぜいたく、というところだろうか。手に入れた者しかその気分を味わえない。かの村上さんは、夜にはい出すフナムシの群れにほうほうの体で逃げ出したらしいが。
天風録 中国新聞 2009年12月30日
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