2010年01月04日

サバイバル「私の島」電気や水道、何もない・・・ 天風録 八葉蓮華

 今どきのぜいたくは見せびらかすものではないらしい。1泊約20万円という瀬戸の小島の隠れ宿とか、6人乗りの貸し切りジェット機で巡る210万円の旅とか。広島市の百貨店が売り出したひときわ豪勢な福袋には、何となくお忍び気分が漂う

 島をあなただけのものにしませんか―。呉市沖に浮かぶ無人島を、財務省が近く競りにかける。先ごろの事前説明会には首都圏からも買い手が集まった。「ロマンを感じる」「自分だけの釣り場に」と本気モードだ

 船着き場もなければ、もちろん電気や水道はない。何もないからこそ試せるということもあるだろう。この夏、関西の大手企業が若手幹部のサバイバル研修を始めたのは、松山市近くの無人島だった

 人気作家の村上春樹さんも十数年前、犬一匹いない柳井市沖の烏島(からすじま)で一昼夜を過ごしている。「真っ裸になってする日光浴の何と気持ちよいこと」。誰にも見られていない解放感がたまらなかった、とエッセーに書いている

 呉かいわいでは、落札額は数百万円と予想されているようだ。「私の島」を持つのはひっそりしたぜいたく、というところだろうか。手に入れた者しかその気分を味わえない。かの村上さんは、夜にはい出すフナムシの群れにほうほうの体で逃げ出したらしいが。

 天風録 中国新聞 2009年12月30日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:49| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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