2010年01月31日

あなたを必要としている「はかなきここち」世界からの支えが癒やしに・・・ 天風録 八葉蓮華

 関東大震災に遭った与謝野晶子が詠んでいる。「人あまたシぬる日にして生きたるはシよりはかなきここちこそすれ」。がれきの下敷きになり、炎にのまれたおびただしいシ者。生き残った者の震えるような気持ちが伝わる

 大震災の犠牲者は10万5千人とされる。それをハイチ地震が上回った。今の時点で埋葬者が15万人。まだ増えればスマトラ沖地震にも匹敵しそうだ。直後の映像では、崩れた街に放心したような人々の姿が痛ましい

 日本は外国の善意に助けられた。素早かったのは米国。食料や金だけでなく、軍医を送りテント病院をつくった。米国内では民間募金。「ジャパン ニーズ ユー(日本はあなたを必要としている)」と呼び掛けている当時の写真を見ると、胸が詰まるようだ

 ハイチにも世界の目が向いている。日本政府からの支援は63億円。ただ当初は4億円としていて韓国より少なかった。国連から「経済大国らしく」と催促されてから、というのは情けない。それだけに広島県の陸自駐屯地から出発した援助隊に、思いを託したい

 あまたのシは、その何倍もの生き残った人の心をえぐる。「シよりはかなきここち」を抱えた人たちはどれぐらいいるのだろう。世界からの支えが少しでも癒やしにつながれば、と願う。

 天風録 中国新聞 2010年1月26日
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2010年01月30日

全国から、ふるさと色の豊かな沿道の応援風景・・・ 天風録 八葉蓮華

 神前の結婚式では、三三九度の杯を交わす。その杯は、新郎と新婦が持ち帰り、契りを固めた証しとして披露するものだったという。みやげの語源は「宮」「笥(け)(入れ物)」。もともとはお宮でもらった杯や、お札入れの箱を指していた

 宮島の大鳥居を横目に見て折り返す「ひろしま男子駅伝」。15回の節目の今回から、天皇杯という大杯が懸かるようになった。高坏(たかつき)に似た造りの純銀製。洋食器のようにも見え、ワインを注いでも似合いそうだ

 スポーツ大会に贈られた天皇杯はこれで19個目。宮内庁に尋ねると、国民によく親しまれているアマチュア競技の最高峰の大会で、参加に制約がない―などが条件だという。全国から選手が集まり、中高生も加わる男子駅伝の幅の広さが認められたのだろう

 ふるさと色の豊かな沿道の応援風景も後押ししたに違いない。北海道の「ケッパレー」から、沖縄の「チバリヨー」。きのうはゴール近くでいったん先頭に出た福島のアンカーに「頑張っつお」の旗のぼりが振られていた

 優勝は、逆転劇で強豪の兵庫にさらわれた。杯はまず客人チームに、とみやげに持って帰ってもらったと思っておこう。地元広島は追い上げて4位に食い込んだ。「来年こそは奪還じゃ」と元気が出るお札をもらったようだ。

 天風録 中国新聞 2010年1月25日
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2010年01月29日

吉田君としまねっこ二枚看板キャラにひかれて・・・ 天風録 八葉蓮華

 「吉田君」は島根県の有名人だ。アニメ「秘密結社鷹(たか)の爪(つめ)」のキャラクター。海外で知られ始めたこともあって、島根へのフランス人観光客は昨年、800人から1600人へ倍増した

 松江市のアニメ作家小野亮さんが生みの親。旧吉田村(雲南市)出身という設定だ。間抜けで失敗ばかり。島根には「日本一知名度が低い」「なくなっても気づかない」とドク舌を吐き、都会の若者には大受けしている

 内心は複雑でも発信力に期待したのだろう。県が「スーパー大使」に任命し、雲南市は特別住民票を授けた。フランスでは日本のPR番組に登場し、出雲神話の魅力を語った。軽妙なアニメと奥深い伝統の取り合わせがアピールしたようだ。島根に来て「ヨシダクンを知っている」と語る若者もいるという

 正攻法で振り向かない人の目を引くのが「キャラ」の効用。きのう広島市で開幕した島根ふるさとフェアで新顔が登場した。猫が出雲大社の屋根をかぶる「しまねっこ」の着ぐるみ。吹き出すか苦笑いするか。どちらにしても吉田君と二枚看板になろう

 まじめで堅実なイメージの島根の人たちと、おふざけキャラ。これも取り合わせの妙か。「牛にひかれて善光寺参り」ならぬ「キャラにひかれて島根参り」の奇策もいいのでは。

 天風録 中国新聞 2010年1月24日
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2010年01月28日

華やかでありながら、見たくないものはぼかして映しだしてくれる鏡・・・ 天風録 八葉蓮華

 金箔(きんぱく)は、そのままでみやびな輝きを放つ。絵の具を乗せると、さらにその色までも引き立てる。また見る角度によっては、ぼんやりした鏡にもなるようだ。ふくやま美術館で開かれている山本容子さんの作品展で、そんなことを考えた

 金箔に刷られた銅版画が24点。「源氏物語」などに登場する平安時代の姫君をイメージしている。金色をバックに映えるのは、赤や青を散らした衣装。ただ顔だけは、濃いまゆや意志の強そうな唇、と時代離れしている

 山本さんによると、姫君は自画像であり分身であるという。見る人も、作品をのぞき込むとそこに自分の顔が映り込む仕掛けだ。過去と現在。あなたと私。虚構と現実。重なり合うのが金箔の上である

 ただ1万分の1ミリという薄さ。台紙に張り付けて圧力を加え過ぎると、はがれてしまう。そんな厄介な素材を「鏡」として使いこなすまでには、刷り職人と一緒になっての研究があったそうだ

 鏡は、日本の神話では霊なる力を持っていた。西洋の物語では「最も美しいのは白雪姫」と教えてくれた。もっとも私たちの周りにあるのは、髪の薄さやしわまでリアルに映す鏡。華やかでありながら、見たくないものはぼかして映しだしてくれる金箔版画は、ほっとさせてくれる鏡かもしれない。

 天風録 中国新聞 2010年1月23日
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2010年01月27日

「コンクリートから人へ」政治献金や談合など妙な配合をしなければ・・・ 天風録 八葉蓮華

 戦で版図を広げた古代ローマでは、軍隊が行き来する道路は命綱だった。馬車で通っても石畳がずれないよう目地に埋めたのがモルタル。「すべての道はローマに通ず」の威光は、コンクリートの一種に支えられていた

 木の国・日本でコンクリートが重宝されるのは明治になって。最初は防波堤だった。戦後の高度成長を機に、ビルや道路、新幹線の高架にと国土を覆わんばかりになる。政権交代による「コンクリートから人へ」は、その反動だったかもしれない

 「コンクリートをワル者呼ばわりするな」と土木学者や技術者が異を唱えている。マイナスイメージが独り歩きすれば人材が集まらない。地震などの防災インフラさえ危ぶまれるという。なるほどコンクリートに罪はないが…

 この世界の父と呼ばれる吉田徳次郎の遺訓がある。「良い物を作るにはセメント、水、砂利に正直、親切を加えないといけない」。業界が、政治献金や談合など妙な配合をしなければ、ここまでたたかれずに済んだろうに

 古代ローマは、道路補修に手が回らず衰退したとの説もある。日本では長くて100年の寿命を延ばそうとの研究も盛んなようだ。法隆寺五重塔のように千年を生き延びる「木の文化」を生んだ国の「コンクリ文化」の行方が気になる。

 天風録 中国新聞 2010年1月22日
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2010年01月26日

豊かな海「里海」人手を加えながら海の幸を持続的に・・・ 天風録 八葉蓮華

 広島湾を空から見ると、カキいかだの周りだけ海水が澄んでいるのに気付く。カキが海中のプランクトンをせっせと取り込んでいるからだ。1粒がろ過するのは1日約200リットル。なんとドラム缶1本分というから、カキのパワーに驚く

 江田島以北に浮かぶ5千台余りのいかだ。そのエリアの海水が2週間もあればろ過し尽くされる計算になる。陸から海に流れ出た栄養分を、水揚げを通じて再び陸へ戻す。排せつ物を差し引いても、カキのおかげで大阪湾ほど汚れずに済んだとみる研究者がいる

 いかだの間を縫うように網を引くのはナマコ漁だ。いかだの下は小魚の格好の隠れ家や餌場に。稚ナマコもくっついてすくすく育つ。100万を超す大都市のすぐ地先で今もいろんな漁ができる。豊かな海の秘密は実はカキいかだにあった

 東京都も目を付けた。お台場の浅瀬にカキいかだを据えると、周りの海水が澄んできた。都民にその浄化実験を公開する。「もっと海のことを知りたい」という声が出た。人を海に近づける力もあることに気付かされる

 「里海」という言葉がある。里山のように、人手を加えながら海の幸を持続的に活用しようとの考え方だ。プリプリのカキを含むと、口に広がる旬の味わい。里海の恵みがちょっぴり誇らしい。

 天風録 中国新聞 2010年1月21日
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2010年01月25日

「寒の内」寒風にこそ自らが鍛えられ、個性も研ぎ出される・・・ 天風録 八葉蓮華

 この冬の低温は「北極振動」のせいという。気圧の具合によって、滞ったり動いたりする極地の気団。先月からの吹き出しでは、インドで60人以上が凍シし、欧州は異常低温に震えた。日本はドカ雪。きょうの大寒は一服状態だが、再度の気団南下が警戒されている

 「寒といふ字に金石の響あり」と、高浜虚子が詠んでいる。大寒を中心としたほぼ1カ月の「寒の内」は年間で最も寒い。鋭く張り詰めたような冷気は確かに、たたけばキーンと音がするかのようだ

 とはいえ低温の恵みもある。例えば腐らないとされる「寒の水」。酒やみそを仕込むにはもってこいだ。和紙もパリッと仕上がるのは寒漉(す)き。染め物を川にさらせば生地や色が引き締まり、材木を漬けておけば虫が付きにくくなるという

 寒風の功徳もある。そうめんは寒ざらしによって風味を増す。サケやアユのうまみが引き出されるのは、寒干しならでは。寒さには、モノを鍛えることでその本質を磨き出す作用があるのか、とさえ思う

 きのう会社更生法の申請に追い込まれた日本航空。国会で幹事長の土地購入疑惑が追及された民主党。北極の冷気に吹き付けられた気分だろう。ここで当事者が、寒風にこそ自らが鍛えられ、個性も研ぎ出される―と思えるかどうか。

 天風録 中国新聞 2010年1月20日
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2010年01月24日

「28年ぶりの和解」2人の吹っ切れた表情が印象的・・・ 天風録 八葉蓮華

 わだかまりが解けないまま、何年も間遠になっている。そんな相手がいないだろうか。「シを迎える前に、許せないと思う相手を許すこと」。近著「男おひとりさま道」で勧めるのは、社会学者の上野千鶴子さんだ

 おととい急逝した元投手の小林繁さんにとっては、まさに江川卓さんがそうだった。31年前、野球協約の盲点を突いて、巨人が浪人中の江川さんと電撃契約。引き換えに小林さんは突如、阪神へのトレードを告げられる

 「請われて行くのだから同情されたくない」ときっぱり言い切った小林さん。この年、巨人戦に8連勝して負けなし、22勝の最多勝利を挙げる。その後2人は、引退し解説者として球場で顔を合わせるようになってからも、一度も話をすることはなかった

 「28年ぶりの和解」として話題を呼んだのが、2年余り前に放映された酒造会社のCMだ。ぶっつけ本番の対面は3時間にも及んだという。「しんどかったやろなあ」。小林さんが差し伸べた手を、両手でしっかり握る江川さん。2人の吹っ切れた表情が印象的だった

 歳月と何かのきっかけがあれば、わだかまりはほぐれる。許された側だけでなく、許した側も心が軽くなる。その実例を見せて小林さんは旅立った。ホッとしているのはファンだけではあるまい。

 天風録 中国新聞 2010年1月19日
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2010年01月23日

「人と防災未来センター」記憶を未来へつなぐ役割の重さ・・・ 天風録 八葉蓮華

 新聞が出るだけで、人々を元気づけることがある。まさに15年前の朝がそうだった。阪神大震災から一夜明けたがれきの街に届いた神戸新聞の朝刊。本社は全壊したが、8ページの発行にこぎつけた

 家族の消息が分からぬまま取材を続ける記者。燃える民家に「堪忍して」と叫んでシャッターを切るカメラマン。辛うじて生き残った電話で、紙面制作を引き受けた京都新聞に原稿を読み上げる。テレビドラマにもなった神戸新聞の被災ドキュメントを読むと胸が熱くなる

 本紙も65年前、原爆の惨禍から立ち上がった。社員の3分の1がシ亡。メガホンでニュースを叫ぶ「口伝隊」が焦土を回り、3日後に新聞を出した。どんなことがあっても伝えねば。そんな使命感にほかなるまい

 神戸港の近くに「人と防災未来センター」がある。あの日の街の模型や溶けたガラスなどが並ぶ。証言ビデオが流れ、語り部も活動する。原爆資料館と似ているのに驚く。神戸と広島。記憶を未来へつなぐ役割の重さは共通する

 神戸市民の4割近くはもう震災を直接知らない。風化を心配する声も出る。広島でも被爆者から話を聞けない時代が近づく。最近は広島で原爆を、神戸で震災を学ぶ修学旅行もある。二つの「被災地」が、体験の継承へ手を取り合えたら。

 天風録 中国新聞 2010年1月18日
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2010年01月22日

世間の言葉に左右されないのも、自分を信じる一つの生き方・・・ 天風録 八葉蓮華

 追い詰められ独りぼっちになった時、信じられるものは何だろう。政治資金の収支報告書に「うそ」を書いたとして、おととい逮捕された石川知裕衆院議員。その数時間前に涙ぐんで電話した相手は、同郷の鈴木宗男議員だったという

 なぜ、逮捕までされなければならないのか。きっと、そんな思いもあったのだろう。受託収賄などの罪で逮捕されながら、カムバックを果たした鈴木氏には、気持ちが分かってもらえると考えたのかもしれない

 北海道の自然は厳しい。中央部にある足寄町で2人は生まれ育った。気温が氷点下20度を下回ることもまれではない。中国地方では想像もできないほどの寒さだ

 「吹きすさぶ北風に飛ばされぬよう飛ばぬよう…」。そう歌ったのは同じ足寄出身の歌手、松山千春さんだ。鈴木氏の20年来の親友として知られる。逆境にあった時も、終始信じ合ってきた。世間の言葉に左右されないのも、一つの生き方なのだろうか

 「疲弊していく古里を元気にしたい」と、政治家を志した石川容疑者。小沢一郎氏の書生を振り出しに秘書を経て国会議員にまで上り詰めた。しかし今、逮捕というどん底を味わう。これまでの歩みを素直な心で見つめ、改めるべきは潔く改める。最後は自分を信じるしかあるまい。

 天風録 中国新聞 2010年1月17日
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2010年01月21日

湯の町ゆう太くん「美人美肌の湯」湯田温泉・・・ 天風録 八葉蓮華

「虎の威を借る」など、中国の故事ではあまり好意的なイメージがないキツネ。ところが山口市の湯田温泉では「恩人」とされている。白キツネが毎晩傷を治しに池にやってくるのを見た寺の和尚が、いで湯を掘り当てたとの言い伝えがあるからだ

 その「功」をたたえてJR駅前には、大きな白キツネ像が立っている。その名も「湯の町ゆう太くん」。商店街のあちこちに石彫りの「招きキツネ」も置かれる。今度は着ぐるみがデビューすることになった

 大地震でいったん枯れた湯が、再びわき出すようになったのは江戸時代。今年がちょうど300年に当たる。そのPRに一役買ってもらおうとの作戦だ。キャラバンを組んで、西日本各地を回り始めている

 「美人美肌の湯」として知られ、浴衣姿の人たちで華やいでいた温泉街。今や客は最盛期の6割まで落ちている。街中という立地では、最近の秘湯ブームにも乗り切れない。キツネにあやかって虎の勢いを、ということらしい

 「あゝ おまへはなにをして来たのだと…/吹き来る風が私に云ふ」。東京から古里・湯田温泉に帰ってきた中原中也はうたっている。ほのかな湯気は、繊細で傷つきやすい詩人の魂をも癒やしたに違いない。文学の薫りもまた、この温泉の「効能」だ。

 天風録 中国新聞 2010年1月16日
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2010年01月20日

ハッピーマンデー「成人の日」15日が地味になるのは寂しい・・・ 天風録 八葉蓮華

 ジョギングや日記を元日から始めた方は、今も続けておられるだろうか。年が改まって2週間も過ぎると、日常の雑事に紛れて最初の決意がつい鈍りがちになる。そんな気分のきょうは小正月

 前後に催されるとんど焼きや、秋田のかまくら、なまはげなどゆかりの行事には、正月の締めくくりだけでなく、もう一度新年を迎える意味合いがありそうだ。子どものころ、葉付きの小ミカンや「寒もち」とも呼ばれたかきもちをこたつでいっぱい食べていた。文字通り「小ぶりな正月」が懐かしい

 戦後ずっと「成人の日」で祝日だった。武家の元服に由来するとか。初々しい若者が勢ぞろいする姿には心が弾んだ。長年放送された弁論大会「青年の主張」からは熱意が伝わってきた

 新成人イベントに連動したお年玉付き年賀はがきの抽せん会も、この日だった。テレビの恒例番組で盛り上がり、ささやかな切手シートでも「当たったよ」と家族ではがきを見せ合った

 ハッピーマンデーなどで成人の日と切り離された。いわれのある15日が地味になるのは寂しい。そこで賀状を出しそびれた人に決意をしたためた寒中見舞いを出す節目、とするのはどうだろう。きょうまで販売している年賀はがきも使える。抽せんは24日だから失礼にはなるまい。

 天風録 中国新聞 2010年1月15日
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2010年01月19日

「制度改革推進会議」地域で普通に暮らしたいと願う障ガイ者たち・・・ 天風録 八葉蓮華

 「リンゴがほしい」と介助ヘルパーに頼むと持ってきてくれた。リンゴの置いてある所に連れて行ってほしかったのに…。かつて車いすの人からそんなことを言われた。取るのは自分でできる、というわけだ

 自立支援で一番大切なのは、当事者の思いである。政権交代でやっと、障ガイ者やその家族がメンバー24人の半数以上を占める「制度改革推進会議」がスタートした。廃止が決まった自立支援法に替わる仕組みづくりも視野に入れる

 地域で普通に暮らしたいと願う障ガイ者たち。体の不自由をカバーするのに介助など福祉サービスを使う。それは本人の「利益」になると、費用の原則1割負担を求めたのが、当事者不在の中でできた自立支援法だった

 15年前の阪神大震災の折、全国から若者らが次々と駆け付け、ボランティアが見直された。取材で痛感したのは、ボランティアを上手に生かすには、コーディネート役も欠かせないということだった。救援物資はあふれても、支える人へのサポートは見逃されがちだ

 ふだんの生活で、当事者が助け合うボランティア活動はもっと難しい。障ガイ者支援の網にさえかからない難病患者もいる。家を事務局にして支えてきた人は、高齢化し息切れ寸前だ。ほしいリンゴに、いつか手が届くのだろうか。

 天風録 中国新聞 2010年1月14日
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2010年01月17日

もがいてみよう「命が動いている、生きることそのもの」・・・ 天風録 八葉蓮華

「喜寿」というと、ご隠居のイメージがある。しかし現役を続けていれば、若い人にはまねのできないベテランならではの存在感を示すこともできる。例えば前の財務相、藤井裕久さんがそうだった

 政権自体が経験も浅く、軽い。そこに重鎮がいるだけで地に足が着いている安心感を与えた。実際、これまでの実績を生かし、何とか年内に予算案を取りまとめる。体調不良を理由に退きはしたが、底力はしっかりと発揮した

 新政権はまた、喜寿の力を借りようとしている。実業家の稲盛和夫さん。行き詰まった日航の立て直しにお出ましを、と声を掛けた。京セラやKDDIを育てた、財界では数少ない民主シンパ。老練さを加えたベンチャー精神によほど期待したとみえる

 77歳の人が生まれた1932年といえば、世界恐慌の3年後。物心ついたころには戦争が始まっていた。空襲や疎開、引き揚げ…。すさまじい時代を生き抜いてきた世代である。腰の据わり方が違うのかもしれない

 「不安を生きる力にする道を探したい」と、やはり喜寿を迎えた作家の五木寛之さんが書いている。こんな時代だからこそ身を縮めるだけでなく、もがいてみよう。「それこそ命が動いている、生きることそのもの」。大先達の存在と言葉に励まされる。

 天風録 中国新聞 2010年1月13日
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2010年01月16日

「上海万博」各国の不況を尻目に成長を続ける中国・・・ 天風録 八葉蓮華

 年明け早々から、一昔前には考えられない盗難事件が起きている。一つは東京・銀座の貴金属店に押し入った「爆窃団」。コンクリート壁を油圧ジャッキで破って侵入し、2億5千万円分の高級腕時計をごっそりさらった

 香港を根城にした貴金属などを専門に盗むグループ。荒っぽい手口が特徴で、防備に慣れていない日本を「稼ぎ場」にしていたようだ。盗品の中国本土などへの闇売りさばきルートも持っているとみられる

 もう一つは山口県で起きた橋名板の盗難である。国道や県道の欄干などに取り付けられている青銅製の名板が、200枚も消えていた。ドライバー1本で簡単に取り外したようだ。こちらも中国と関連しているとみられる

 5月の上海万博を前に青銅の価格が上がっている。それを当て込んだブローカーが買い取っているのでは、との見立てだ。そういえば一昨年の北京五輪の前にも金属の値段が急騰した。水道の蛇口やマンホールのふた、半鐘まで盗まれ、中国ルートがささやかれた

 各国の不況を尻目に成長を続ける中国。食料や石油、ぜいたく品に至るまで世界中から買いあさり、のみこんでいる。まさに「爆食経済」。お得意先としては頼もしいが、競争相手としては怖い。隣の健啖家(けんたんか)の胃袋が気になる。

 天風録 中国新聞 2010年1月12日
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2010年01月15日

「沈黙を破る」戦争や占領は、被害者だけでなく加害者も“壊す”・・・ 天風録 八葉蓮華

「危険なことはないのか」。知人が口をそろえた。年末年始を利用して3年ぶりに訪れたイスラエル旅行である。それだけ中東紛争と自爆テロのイメージが強烈なのだろう

 パレスチナ自治区のガザは、今も治安が悪く近寄れない。そこは避け、ユダヤ、キリスト、イスラム3宗教の聖地エルサレムやシ海周辺など「聖書の世界」を巡った。メディアから流れてくるイスラエル情報の大半は紛争だ。しかし、思ったより安全で、ヒヤッとする場面は一度もなかった

 パレスチナ住民を追い出し、62年前に建国したイスラエル。アラブ諸国への度重なる攻撃は「自国を守らなければ」という過剰なまでの強迫観念のように見える。残るのは憎しみの連鎖だけである

 ジャーナリストの土井敏邦さんはその紛争を長年取材し続けている。土井さんが制作したドキュメンタリー映画「沈黙を破る」を昨秋、広島で見た。イスラエル軍の破壊とサツりくの実態、そして占領地に送られた元兵士が「ゲームのように」行ったギャク待や略奪を告白する内容だ

 土井さんは「戦争や占領は、被害者だけでなく加害者も“壊す”」と訴える。加害の側から上がってきた声は一つの光明だ。共存にはいい見本がある。建国以後も、異なる教徒がすみ分けてきたエルサレムの街である。

 天風録 中国新聞 2010年1月11日
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2010年01月14日

力と力の激突はくれぐれもグラウンドの中だけに・・・ 天風録 八葉蓮華

 テロ警戒の武装兵士に守られてボールを追うのは、どんな気持ちだろうか。サッカー日本代表がイエメンに乗り込んでの試合。ピリピリするような緊迫感の中、選手の乗ったバスに石も飛んできた

 米航空機爆破テロ未遂事件の黒幕が潜む国。20人近くが実行犯と同じ訓練を受けたそうだ。政府の掃討作戦に対する報復テロの恐れも高まっていた。「生きて日本に帰れただけで十分」。選手の言葉も、あながち誇張とは思えない

 アフリカではトーゴ代表の乗るバスが襲撃され、運転手らが亡くなった。英国のリーグで活躍する選手も巻き込まれたとあってニュースが駆け巡った。これも世界の隅々まで広がるサッカー人気の高さの表れか。犯行声明を出した武装勢力はそこまで計算していたのかもしれない

 サッカーが絡むと、愛国心にも火が付きやすい。日本と中国が北京で対戦した6年前のアジア杯決勝を思い出す。ちょうど反日感情が高まっていたころ。この時も1万人余りの警官が、観客の興奮をなんとかヤジ程度に抑え込んだ

 6月にはワールドカップ南アフリカ大会が開幕する。さまざまな国情を背負った199の予選参加国・地域の頂点に立つのはどこか。応援にさぞ熱が入ろうが、力と力の激突はくれぐれもグラウンドの中だけに。

 天風録 中国新聞 2010年1月10日
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2010年01月13日

デパートの屋上で遊ぶ子供たち「夢の国」が姿を消えていく・・・ 天風録 八葉蓮華

 作家の辻仁成さんに「屋上で遊ぶ子供たち」という詩がある。「どうして空の青さに/気づかない」「どうして空の美しさに/ひるまない」。でもデパートの屋上にいたら、そう言われても無理だったなと思う

 子どもにとっては「夢の国」だった。木馬やミニ機関車が回っている。モノレールも動いている。空を見上げるどころか、親にねだって珍しい乗り物を楽しむのに無我夢中だった。帰りはおもちゃ売り場に寄り、大きな食堂でお子様ランチ

 日本が高度成長の波に乗り始めたころの風景だったろう。どのデパートも競って遊具を整えた。しかし、さまざまな子どもの遊びが増えていき、そのうち忘れられていく。広島市の中心部で最後まで頑張っていたそごう広島店の遊園地も、あさって営業を終える

 一足早く「夢の国」が姿を消した東京・銀座のデパートは、跡を野菜や花の畑に替えた。近くのビル屋上で、市民グループがミツバチを飼う試みを始めている。ならば蜜(みつ)が吸える花を植えてお手伝いを―との粋な計らいである

 取れた野菜はカレーに入れたり、ビールのつまみに。屋上の緑は、エコ心も満たしてくれる。今は大人の夢を紡ぐ場になっているようだ。広島のデパートの屋上にまかれるのは、どんな夢の種だろう。

 天風録 中国新聞 2010年1月9日
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2010年01月12日

原爆漫画の源流「星はみている」漫画に込めた思い・・・ 天風録 八葉蓮華

 どんな分野でも源流を探るのはわくわくする仕事だ。では原爆漫画はどこまでさかのぼるのだろう。31年前にこの謎に挑んだ先輩記者は、1960年の影丸譲也「影」ではないか、と推定した

 壁に焼き付けられた影を消さなければ成仏できない。そんな男が登場して原爆をのろう物語だ。ところが連載記事の最後で、もっと古いのがあるようだと書いている。59年の白土三平「消え行く少女」。原爆症で母を失い、自らも白血病で亡くなる筋立てだ

 以来これが第1号とされていた。ところがさらに源流は奥に伸びていた。「少女漫画風の作品があったはず」という市民の声を基に、2年前に探り当てたのが原爆資料館のスタッフである。57年から月刊誌「なかよし」で連載が始まった谷川一彦「星はみている」

 メジャーな雑誌に活躍の場を広げたヒロシマの漫画。ビキニ水爆実験や佐々木禎子さんのシが大きなニュースになった時代だった。可部高生のころにデビューした谷川さんは一昨年亡くなり、込めた思いが聞けなかったのが惜しまれる

 源流への旅は、これで終わるのかもしれない。その後、流れは「はだしのゲン」で一気に太くなった。これからは、どんな人が引き継いでいってくれるだろう。豊かな分流の末を見てみたい。

 天風録 中国新聞 2010年1月7日
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2010年01月10日

自らの責任で考え、出した結果なら、自分で引き受けなければならない・・・ 天風録 八葉蓮華

 サッカー日本代表のオシム前監督は、大のトランプ好きだ。半分は運。もう半分は流れを読みながら、相手の手の内を探るゲーム。モットーの「考えて走るサッカー」に通じるものがあるのだろう

 広島・観音高も「考えるサッカー」で強くなった。合言葉は、空気を読むKY、先を読むSY、周りを読むMY。選手たちは攻守を素早く切り替え、味方と連動できるポジションをいつも探そうとする。新春恒例の全国高校選手権でも公立校で唯一、ベスト8まで食い込んだ

 練習法から試合のスタメン選び、敵情視察まで。もう何年も選手の自主性に任されている。きのうは試合前に3時間近くミーティングをしたという。「おれなら30分」と言いながら、じっと見守ってきた畑喜美夫監督の辛抱強さには脱帽する

 手駒として指図通りに動くだけなら、たとえ負けても監督か誰かのせいにできる。しかし選手自らの責任で考え、出した結果なら、自分で引き受けなければならない。その分、感動も悔しさも胸に深く刻まれ、これからの人生の糧にもなるに違いない

 昨年の皆実高に続く広島勢連覇の初夢はついえたが、信じる仲間と全力で出した結果である。オシムさんならきっと「運、不運もゲームのうち」と声を掛けてくれることだろう。

 天風録 中国新聞 2010年1月6日
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