2009年12月26日

米ロと日本の飛行士が相乗りするソユーズ「隔てられたものを結びつける」・・・ 天風録 八葉蓮華

 5千人の歌声が響いた。プロの楽団と市民合唱団、そして聴衆による第九ひろしま。「フロイデ(歓喜)…」と一緒に声を出すと、体の中から熱いものがわき上がってくるような気がした

 ベートーベンの最後の交響曲。日本で歳末の風物詩となったのは、戦後すぐである。頑張って1年、また1年と復興していく自信と、曲の高揚感がマッチしたのかもしれない。ドイツ語の歌詞が分からずとも「参加する第九」は各地に広がった

 本場欧州では特別な時の曲という。思い出すのは20年前の年末。ベルリンの壁崩壊を記念した演奏である。歓喜で紅潮した表情を映像で見た。「隔てられたものを結びつける」。そんな歌詞は、分断されていたドイツの人たちの心を突き動かしただろう

 宇宙飛行士にも楽聖のファンは多いそうだ。第九の楽譜を持ち込んだ米スペースシャトルの乗員がいる。きのうロシアの宇宙船ソユーズで飛び立った野口聡一さんもボンの生家を訪ねている。宇宙ステーションなら90分で1周できる地球。人類を隔てるものは何もないように見えよう

 かつて対立した米ロと日本の飛行士が相乗りするソユーズは「結びつける」象徴かもしれない。なお争いが絶えない地上に「フロイデ」の歌声を響かせることはできないだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年12月22日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:49| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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