「夜の駅前が寂しい」と3300個の電球を取り付けたのが始まりという。襟を立てて、うつむいて歩く凍(い)てつく夜。それでも星をちりばめたような光が目に入ると、つい顔を上げて眺めてみたくなろう
起源をたどれば16世紀のドイツ。宗教改革を提唱したルターが、森の中から見上げた星を地上に移してみたい、と考えたのだという。当時はろうそくを木につるした。ちらちらと揺れるさまは、星の瞬きのように見えたかもしれない
「地上の星」もいいが、本物の「冬の星座」もこれからが見ごろ。たたけば氷の音がしそうなぐらい澄み切った夜には、舞い立つオリオンや、さざめくすばるの明るさが際立つ。「凍星(いてぼし)も星座を組めば煌(かがや)けり」(野沢節子)が実感できそうだ
流れ星もにぎやか。ふたご座流星群の見ごろはきのうだったが、こぐま座流星群は22日午後10時ごろがピークという。景気が凍てついたようだった今年。街の電飾にぬくもりを覚えつつ、来る年こそは、と北の空に願いをかけてみたい。
天風録 中国新聞 2009年12月15日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録