2009年12月30日

戦争は終わる、君が望めば「ラブ・アンド・ピース」の精神を受け継ぐ土壌・・・ 天風録 八葉蓮華

 きのう口ずさんだクリスマスソングは? ビートルズファンなら「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」だろうか。作者のジョン・レノンが凶弾に倒れて29年。世代を超えた人気は根強い

 ところが顕彰の拠点の存続に黄信号がともっている。さいたま市にある世界初の公認博物館「ジョン・レノン・ミュージアム」だ。妻のオノ・ヨーコさんと運営企業が交わした展示品のレンタル契約が、来年秋に切れるという。愛用のギターや丸眼鏡…。「お宝」の行方に気をもむファンも多かろう

 9年前の開館の際、記者会見に出かけた。「ホワイ・ジャパン(なぜ日本か)?」。外国人記者がオノさんに問うた。「ジョンは日本を愛し、国境のない世界を歌っていました」。俳句や墨絵に親しみ、晩年は軽井沢での避暑を楽しんでいた。懐かしそうに話すオノさんの表情が記憶に残る

 個人的には「ホワイ・サイタマ?」だった。さいたま新都心開発の一環としての誘致である。果たして「ラブ・アンド・ピース」の精神を受け継ぐ土壌はあるのだろうか、と

 久しぶりに館内を歩いた。「戦争は終わる、君が望めば」。平和を願う心が現実を動かすと簡潔に説く「クリスマス」の詞の一節だ。自筆を前にして、ヒロシマで生かせないか、と考えてみる。

 天風録 中国新聞 2009年12月26日
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2009年12月29日

国民が今、痛切に求めているものは、安心感・・・ 天風録 八葉蓮華

不況のクリスマスはクマが売れる、との説があるそうだ。おもちゃ店をのぞくと、ぬいぐるみや雑貨がずらり。プーさんやテディベアだけでなく新たなキャラクターも。プレゼントを品定めする人たちでいっぱいだった

 高くても数千円。贈る側は、そんなに無理をしなくて済む。大きくて力が強い、怖そうだが実はおとなしい―という安心のイメージがある。もらう側の気持ちにも響くのだろう

 イブの日に、検察からシビアなプレゼントをもらったのは鳩山由紀夫首相だ。政治資金の虚偽記載をめぐって元秘書が起訴された。実は鳩山家の金なのに、架空の献金などがあったことにしてごまかしていたという

 母からもらい続けたのは12億円以上。毎日がクリスマスのようだが、本人は「本当に何も知らなかった」と繰り返した。秘書に任せきり、親や周りとお金の話をすることはほとんどなかったのだという。けた違いの資産がある家では、庶民に想像できないことがあるのか、と思ってもみる

 職は辞さず、身を粉にして使命を果たすと首相。国民が今、痛切に求めているものは、ぬいぐるみのクマのようにほっこりとした安心感だ。きょうにも予算案が決まる。鳩山サンタの袋の中には、不安を鎮めてくれる手だてが入っているだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年12月25日
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2009年12月26日

米ロと日本の飛行士が相乗りするソユーズ「隔てられたものを結びつける」・・・ 天風録 八葉蓮華

 5千人の歌声が響いた。プロの楽団と市民合唱団、そして聴衆による第九ひろしま。「フロイデ(歓喜)…」と一緒に声を出すと、体の中から熱いものがわき上がってくるような気がした

 ベートーベンの最後の交響曲。日本で歳末の風物詩となったのは、戦後すぐである。頑張って1年、また1年と復興していく自信と、曲の高揚感がマッチしたのかもしれない。ドイツ語の歌詞が分からずとも「参加する第九」は各地に広がった

 本場欧州では特別な時の曲という。思い出すのは20年前の年末。ベルリンの壁崩壊を記念した演奏である。歓喜で紅潮した表情を映像で見た。「隔てられたものを結びつける」。そんな歌詞は、分断されていたドイツの人たちの心を突き動かしただろう

 宇宙飛行士にも楽聖のファンは多いそうだ。第九の楽譜を持ち込んだ米スペースシャトルの乗員がいる。きのうロシアの宇宙船ソユーズで飛び立った野口聡一さんもボンの生家を訪ねている。宇宙ステーションなら90分で1周できる地球。人類を隔てるものは何もないように見えよう

 かつて対立した米ロと日本の飛行士が相乗りするソユーズは「結びつける」象徴かもしれない。なお争いが絶えない地上に「フロイデ」の歌声を響かせることはできないだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年12月22日
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2009年12月25日

「果物」「花の観光農園」「駅伝」・・・ 天風録 八葉蓮華

 わが町には全国に誇れるものが三つある、と広島県世羅町の人は言う。県のほぼ真ん中の台地の町である。一つはナシやブドウなどの「果物」。そしてヒマワリなど「花の観光農園」。寒暖の差が激しい気候と、豊かな土壌のたまものである

 三つ目が「駅伝」。全国高校駅伝の男子で、1950年の初回から2連覇という実績を残しているのが世羅高だ。一時期は低迷していたが5年ぐらい前から力を盛り返し、きのうは6回目の優勝を飾った

 3区でトップに躍り出て、4区までに1分ほど差をつける。ほぼ計算通りのレース運びで、最後は2位を30秒近く引き離した。けた違いの速さで駆け抜けたケニアからの留学生カロキ選手をはじめ3年生トリオの走りに見入った

 中山間地にある公立高である。都会の高校や一部の私学のように、有力選手のスカウトもままならない。県内にいる原石のような選手を、いかに育てるか。代々の監督はさまざまな実践をしてきた

 「まず日常生活がきちんとできるように、うるさく口を出す」が岩本真弥監督流という。ほぼ全員が寄宿舎生活。自分で考えてちゃんと行動できるようになることが、精神的なたくましさにつながるらしい。適度な厳しさを得て初めて実を結ぶ。それは植物も人間も同じだろう。

 天風録 中国新聞 2009年12月21日
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2009年12月19日

イルミネーション「地上の星」もいいが、本物の「冬の星座」もこれからが見ごろ・・・ 天風録 八葉蓮華

 冬のイルミネーションとしてよく知られるのは、1995年に始まった神戸ルミナリエだろう。それより10年も早かったと知って、ちょっと驚く。JR徳山駅前のツリーまつり。今年も10万個のとりどりの電飾が、300メートル近い並木を彩る

 「夜の駅前が寂しい」と3300個の電球を取り付けたのが始まりという。襟を立てて、うつむいて歩く凍(い)てつく夜。それでも星をちりばめたような光が目に入ると、つい顔を上げて眺めてみたくなろう

 起源をたどれば16世紀のドイツ。宗教改革を提唱したルターが、森の中から見上げた星を地上に移してみたい、と考えたのだという。当時はろうそくを木につるした。ちらちらと揺れるさまは、星の瞬きのように見えたかもしれない

 「地上の星」もいいが、本物の「冬の星座」もこれからが見ごろ。たたけば氷の音がしそうなぐらい澄み切った夜には、舞い立つオリオンや、さざめくすばるの明るさが際立つ。「凍星(いてぼし)も星座を組めば煌(かがや)けり」(野沢節子)が実感できそうだ

 流れ星もにぎやか。ふたご座流星群の見ごろはきのうだったが、こぐま座流星群は22日午後10時ごろがピークという。景気が凍てついたようだった今年。街の電飾にぬくもりを覚えつつ、来る年こそは、と北の空に願いをかけてみたい。

 天風録 中国新聞 2009年12月15日
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2009年12月11日

蒸した料理が復権の兆し「タジン鍋」暑い砂漠の国の知恵・・・ 天風録 八葉蓮華

 鍋というと「煮る」「炊く」ものと思っていた。ところが「蒸す」ことができる新顔を、店で見かけるようになった。遠くアフリカ・モロッコからやってきた「タジン鍋」。三角帽子のようなふたが特徴だ

 野菜や魚を放り込み、そのままふたをする。水は入れなくていい。弱火にかけると食材から出る水分が蒸気になって、全体を蒸らす仕組みだ。「ぐつぐつ」というにぎやかな音が聞こえないのは寂しいが、耳を澄ませば「くつくつ」と小さな音がかわいい

 カブやニンジンで試してみた。ゆでた時より甘く感じる。水気が抜けた分、野菜そのもののうまみや香りが、強くなるのだろうか。何かに似ていると思ったら、お好み焼きのキャベツ。鉄板で蒸らされて生まれるのも甘みである

 このところ、蒸した料理が復権の兆しという。おおむね薄味。栄養も逃げず、肉の場合は脂が抜けてヘルシーだったりするかららしい。ある家電メーカーが、蒸気で調理するオーブンレンジを売り出すと、飛ぶように売れた。タジン鍋の人気も、その延長にあるのだろう

 たっぷりの湯の中で素材のうまみを引き出すのが日本の鍋。貴重な水を使わずに味わいを濃縮するのがモロッコの鍋、ともいえるだろうか。暑い砂漠の国の知恵を、寒い冬にお借りする。

 天風録 中国新聞 2009年12月6日
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2009年12月10日

明治政府が設けた「脚気(かっけ)病院」は、一種の仕分けの舞台・・・ 天風録 八葉蓮華

 明治政府が設けた「脚気(かっけ)病院」は、一種の仕分けの舞台だったかもしれない。結核と同じくらい怖かった病気を治せるのはどちらか、西洋医と漢方医に競わせたのである。世間では「漢洋脚気相撲」と呼んで、はやしたてた

 今なら、ビタミンB1の欠乏が原因と知られているが、当時の西洋医学からみれば謎の病気だった。一方で漢方医は麦飯などによる食事療法でじわりと治していた。ところがどうも最初から結論ありきだったようで、西洋医学の方が仕分けに勝ち残った

 今回の事業仕分けでも、漢方薬がやり玉に挙がった。健康保険の適用から外す、との結論である。「薬局や薬店でも買える」というのが理由だが、今や医師の8割が漢方薬を処方している。全額自己負担になるのでは、と患者が猛反発している

 その人に応じた処方によって体質全体を改善していく。西洋薬とは違う漢方薬の醍醐味(だいごみ)だ。がん患者が使ってうつ状態が和らぐケースも少なくないという。それでも仕分け人からすれば、効果の「証拠」が乏しいとも映ったのだろうか

 事業仕分けは、切れ味の鋭いメスで患部を切り取る手術に例えられよう。即効性は大事である。同時に、弱った体にじんわりと滋養を与え、将来に向けて基礎体力を養うことも忘れてはなるまい。

 天風録 中国新聞 2009年12月5日
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2009年12月09日

誰の「重大決意」が実行に移される日が来る・・・ 天風録 八葉蓮華

「重大な決意」と政治家が表明した時は、歴史が変わることもある。例えば1937年の近衛文麿首相。「政府は閣議において重大決意をなし」という言葉に続いたのは、これまでの方針を覆しての中国への増派だった。一気に全面戦争になだれ込む

 この春、口にしたのは自民党の武部勤元幹事長だった。もくろんだのは麻生降ろし。ところが、失敗しそうになると「離党など毛頭考えていない」と手のひらを返す。言葉の軽さが失笑を買った

 社民党の福島瑞穂党首はどうだろう。きのう「重大な決意」を開陳した。もし鳩山由紀夫首相が、普天間飛行場の辺野古移設にゴーサインを出したら、連立離脱も辞さないと。党の立場がなくなってしまう、ということだろう

 「重く受け止める」という首相の言葉を引き出した。揺さぶりは効いたようだ。首相としても、米国に対して結論先送りの言い訳に使える、との思いがあったようにも…。ただ前政権が米国と約束した内容。本当にリセットできるのか

 成り行きによっては、福島党首の「重大決意」が実行に移される日が来るかもしれない。民主党もまた選挙で「県外に」「国外に」と訴えていたはず。百八十度転換しますでは、今度は沖縄県民の「重大な決意」に直面することになるだろう。

 天風録 中国新聞 2009年12月4日
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2009年12月07日

「ワンストップ」誰もが、いつまた世話になるかもしれない窓口・・・ 天風録 八葉蓮華

 これも、政権交代で変わり始めた光景の一つだろう。広島、広島東などのハローワークがおととい試みたワンストップ・サービス。職探しの場所で、生活保護や住宅、さらには心の健康についても相談できる

 持ち場が異なる役所や団体の垣根を払ったのは、年越し派遣村の元「村長」で内閣府参与になった湯浅誠さんの提唱という。窓口でかいがいしく応じる多くの職員が頼もしく見えた。ハローワークを視察した前首相の的外れな発言ばかり目立った昨年末が、ひと昔前のようだ

 「ワンストップ」なら、古里の街で失業中の父に連れられて通った半世紀近く前の職業安定所を覚えている。窓口近くの食堂や理髪店はわいわいがやがや。家での麦入りと違い白米のご飯を腹いっぱい食べ、くりくり頭になるのが心地よかった

 同じ敷地の宿泊所を含め、いずれも失業者向けには割引料金。土木工事などをその場で紹介する。戦後復興から高度成長に入るまでの時代。失業者を救うため、行政が施設などに助成して、必要な手だてを1カ所にそろえていた

 ワンストップに共通するのは行政の温かさではないか。派遣村の手法を取り込んだ新政権のハローワークにも、一層のぬくもりが欲しい。誰もが、いつまた世話になるかもしれない窓口だから。

 天風録 中国新聞 2009年12月2日
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2009年12月06日

発想を柔らかくして風通しよく、肩書よりも実力で・・・ 天風録 八葉蓮華

 目の前に並ぶのはみんな部下。しかしその数は圧倒的に多く、腹の中までは見通せない。どうすれば、しっかり働いてもらえるか。知事が就任直後に自分の思いをぶつけるのが、職員への訓示だろう

 「みなさんはハ産会社の従業員です」。どぎつい言い方をしたのは、財政危機に陥っている大阪府の橋下徹知事だった。「もし裏金があれば早めに出してください」。官製談合で揺れた宮崎県の東国原英夫知事もとんがっていた。カリスマ型の2人の言葉は挑発に近い

 「湯崎さんと呼んで」。きのう初登庁した広島県の湯崎英彦知事は、そう職員に語りかけた。とかく肩書が幅を利かす世の中。縦社会の役所ではなおさらだろう。型破りの提案には、IT起業家だった経歴も関係しているのかどうか

 ベンチャー業界では、組織の秩序よりも個人のアイデアが大切にされる。いかめしい肩書の代わりに「さん」づけで呼ぶところも多い。まずは発想を柔らかくして風通しよく、とのメッセージを新知事は発したとも受け取れる

 もしこれが広がって、局長や部長も「さん」となったら…。肩書よりも実力で評価されるように役所文化も変わっていくだろうか。ソフトな呼び掛けに見えて、実は職員にしっかり働いてもらうためのハードな戦術かもしれない。

 天風録 中国新聞 2009年12月1日
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2009年12月05日

。「生きたい」気持ちをむしばむのは、周りの無関心や無理解・・・ 天風録 八葉蓮華

「自サツ戦争の中にある」。福島瑞穂・少子化問題担当相が早鐘を鳴らしている。とっくの昔に手を引いたはずなのに、この国は「戦争」となかなか縁が切れない。受験戦争、がん戦争…。交通戦争に至っては2度に及ぶ

 それにしても、戦争放棄の憲法9条にとりわけ思い入れが強いはずの福島さん。わざわざ、いくさ言葉を当てなければならないほど、現状を深刻に受け止めてほしいということか

 確かに事態は急を告げている。11年続けて年間3万人以上が命をタった。交通犠牲者の6倍近い。大竹、竹原市くらいの街が毎年消えていると思えば空恐ろしい。失業や負債、過労などに追い込まれた人に対する緊急措置も併せてこの年末、ハローワークに相談窓口が開かれる

 今年の自サツ対策白書で、俳優の音無美紀子さんがうつ病体験を語っている。乳がんをひた隠しにしていた自分が嫌になり、シを思う毎日。家族の支えが何より薬になったという。「生きたい」気持ちをむしばむのは、周りの無関心や無理解なのだろうか

 長期戦を覚悟せねばなるまい。吹きすさぶ経済危機の嵐も当分やみそうにない。援軍は希望と、窮地の人に心を寄せる社会のぬくもり。「人の命は人が救わなければ」。阪神大震災の焼け跡で耳にした言葉を思い出す。

 天風録 中国新聞 2009年11月30日
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2009年12月04日

生誕100年「田中絹代」無声映画時代から67歳まで走り続けた生涯・・・ 天風録 八葉蓮華

 田中絹代が愛用したサイズ22センチ、ヒール高7センチのちっちゃな赤い靴。これで半世紀にわたってトップスターの座を守り抜いたのか―。そんな感慨が、絹代の伝記小説を書くきっかけだったと作家の古川薫さんが明かしている

 きょうが生誕100年の絹代は、赤をことのほか好んだ。古里の下関市に寄贈されたハイヒールや帽子、クッションに文箱も。華やかで時に危うさもイメージさせる色。マズしさをくぐり抜け、無声映画時代から67歳で亡くなるまで走り続けた生涯とどこか重なる

 出演した映画は300本近く。「愛染かつら」に代表される清純派も、40歳のころ「老醜」と酷評された。すると、その後は「老い」を武器にし、役作りで歯を抜いたことも。視力を失ったシの直前も、「目が見えなくてもやれる役は」と口にした。情熱の炎を最期まで胸に秘めていた

 そんな彼女の生涯を伝える記念館が来年2月、下関市にできる。「郷土のスターを埋もれさせてはいけない」。墓参や映画祭を続け、設置を訴えた市民の願いが実った。その一人でもある古川さんが名誉館長に就く

 絹代の銀幕デビューの年に建ったビルを改装して使う。屋根の色は真っ赤。身の回りを彩った赤い遺品も並ぶ。大女優の息づかいが伝わってくるに違いない。

 天風録 中国新聞 2009年11月29日
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2009年12月03日

長い歴史を経て醸し出された街の雰囲気までディスカウントされるようで・・・ 天風録 八葉蓮華

 手をつないだ熟年カップルが日本一多い街は東京・銀座ではないか、とひそかに思っている。人生の年輪を重ねた男女が手を取り合ってそぞろ歩く姿を、実によく見かける。両人とも80歳近いペアルックにも出会った

 しっとりとした華やぎと高級感。一定以上の年代の人たちにとっては心地がよく、つい気持ちまで柔らかくなるのだろうか。広島・本通あたりでは主役を張る高校生や20代のカップルも、ここでは位負けしているようだ

 そんな銀座にも、デフレの影が忍び寄っている。居並ぶデパートや老舗はどこか閑散としている。代わって盛況なのが低価格の衣料店。次々と目抜き通りに店を構え、そこだけは不況を感じさせないにぎわいである

 きのう1ドル=84円台をつけた急激な円高。景気の二番底が危ぶまれるだけに、低価格の店が増えると家計は助かる。ただ長い歴史を経て醸し出された街の雰囲気までディスカウントされるようでは、寂しい。この際、熟年の人たちに頑張ってもらえないか

 「常に好奇心いっぱいに 好きなものを追いかけ」。作家の渡辺淳一さんが提唱する「プラチナ世代」の生き方だ。使えるお金は、若い人よりはるかに多い。カップル消費によって街に元気が出るだろう。もちろんこれは銀座だけのことではない。

 天風録 中国新聞 2009年11月28日
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2009年12月02日

科学技術立国は、資源小国にとって百年の大計、科学の重みを知ってもらうチャンス・・・ 天風録 八葉蓮華

 事業仕分けの大なたに、しかめっ面で会見場に居並ぶノーベル賞科学者。重苦しい空気を江崎玲於奈博士が変えた。「科学の重みを国民に知ってもらうチャンスをくれた。仕分け人は英語でいえばデビルズ・アドボケート」

 約30年暮らした米国仕込みの発想だろう。「アクマの代弁者」と直訳すればおどろおどろしいが、立派な討論テクニックだ。「ちょっと待った」とさえぎり、反論や苦言をあえて投げかける。混ぜっ返すことで話が掘り下げられ、シ角も浮かぶ

 ちょっぴり意地悪にも見える役回りだ。次世代スーパーコンピューターの開発予算に「世界2位でなぜいけない」と問うた蓮舫参院議員。会見で利根川進博士は「1位を目指さないと2位、3位にもなれない」と反論した。そんなものかな、とうなずいた人もいよう

 科学技術立国は、資源小国にとって百年の大計だ。ただ振興予算の増え具合は年々すずめの涙ほど。GDP比でも先進諸国の中で後れを取る。そんな実態がにわかに国民の耳目を集めた。かつてないことである

 ノーベル賞の面々の直談判にきのう、工学博士の鳩山由紀夫首相は「支障ないように配慮する」と約束した。さて心の内は…。いい顔して大丈夫?とアクマの代弁者に議論を吹っかけられているかもしれない。

 天風録 中国新聞 2009年11月27日
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