ところが顕彰の拠点の存続に黄信号がともっている。さいたま市にある世界初の公認博物館「ジョン・レノン・ミュージアム」だ。妻のオノ・ヨーコさんと運営企業が交わした展示品のレンタル契約が、来年秋に切れるという。愛用のギターや丸眼鏡…。「お宝」の行方に気をもむファンも多かろう
9年前の開館の際、記者会見に出かけた。「ホワイ・ジャパン(なぜ日本か)?」。外国人記者がオノさんに問うた。「ジョンは日本を愛し、国境のない世界を歌っていました」。俳句や墨絵に親しみ、晩年は軽井沢での避暑を楽しんでいた。懐かしそうに話すオノさんの表情が記憶に残る
個人的には「ホワイ・サイタマ?」だった。さいたま新都心開発の一環としての誘致である。果たして「ラブ・アンド・ピース」の精神を受け継ぐ土壌はあるのだろうか、と
久しぶりに館内を歩いた。「戦争は終わる、君が望めば」。平和を願う心が現実を動かすと簡潔に説く「クリスマス」の詞の一節だ。自筆を前にして、ヒロシマで生かせないか、と考えてみる。
天風録 中国新聞 2009年12月26日
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