世界で水揚げされる本マグロの約7割が、日本の胃袋に収まる。メバチ、キハダなど7種類の中でも本マグロの人気は別格。最も大ぶりで脂が乗り「海のダイヤ」と呼ばれる。天然物に1本2千万円を超す値が付いたこともある
ここ10年ほどは庶民にもおなじみの味になった。五百円玉1枚で大トロ、中トロ、ネギトロの3貫盛りを楽しめる回転ずしもある。安く仕入れた幼魚をいけすで太らせる養殖物が出回りだしたおかげだ。海外のSUSHIブームも消費に拍車を掛ける
ほっておけば本マグロの乱獲に歯止めがかかりそうにない。ならば「絶滅危(き)惧(ぐ)種」に祭り上げて国際取引そのものを禁じてしまおう。そんな条約改正の動きも、欧米主導で始まっている
私たちの食欲がほかの種を滅ぼしたのでは、いかにも寝覚めが悪い。しばらくはグッと我慢するしかあるまい。漁を自粛している間に資源が回復し、すし屋さんで、♪あんな時代もあったねと笑って話せる―日を待とう。
天風録 中国新聞 2009年11月19日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録