食前酒としてふるまわれたという。甘いみりんに十数種類の薬草をつけ込んだ保命酒。ハーブを含んだ「カンパリ」などのリキュールに似ていなくもない。まったりとした琥珀(こはく)色の酒は、ハリスをとりこにしたようだ
保命酒が福山市鞆町で誕生して350年。大阪の漢方医が、鞆で造っていた「うま酒」(みりん)に生薬を配合したのが始まりとされる。福山藩の奨励もあって全国に広まった。昭和初期をピークに衰退の道をたどり、今は4軒だけ。伝統を絶やすまいと、きょうとあす「保命酒祭」を開く
薬用酒と違って、あくまで健康のための酒。効能のPRはご法度だ。ただ材料に使われる生薬の組み合わせは、中高年女性に多い体のトラブルに用いられてきた処方に通じる、との専門家の見立てもある。長寿の時代にふさわしいお酒かもしれない
ハリスは5年余り、日本に滞在した。条約交渉など重要な場面で、保命酒が出されたといわれる。それから150年。懸案が山積する中、12日にオバマ大統領が来日する。心和む保命酒の一席を設けたいところだが…。
天風録 中国新聞 2009年11月7日
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