2009年11月11日

いかにすき間なく組み上げるか「超二流のススメ」いぶし銀のような輝きを放つ・・・ 天風録 八葉蓮華

「君に3割はいらない」。ルーツ監督に言われ、三村敏之さんは戸惑った。セ・リーグ2位の3割8厘をマークしたこともあるのになぜ…。葛藤(かっとう)の末、身を捨ててもランナーを進める2番打者に徹した。カープが初優勝した1975年のことだ

 あの川上哲治氏も絶賛したほどのあり余る才能。脇役では満たされない。やはり一流になりたい。翌年、自分の思い通りのバッティングを目指した。本塁打は増えたが、それ以外の打撃成績は軒並みダウン。チームも低迷した

 そんな経験から悟ったのが、同名の著書もある「超二流のススメ。」だ。一流でなくても、組織の中の工夫でそれを超えることができると。カープの監督時代には、一人一人の選手の特性を見極め、任せたい役割を本人が納得するまで説明した

 一流選手ばかりのチームを「一見、高くて立派でも、ちょっとの振動ですぐ崩れるすき間だらけの石垣」に例えた。自らもチームメートも生かせるような超二流選手の石垣を、いかにすき間なく組み上げるか。知将と呼ばれたこの人のテーマだった

 組織論にも通じる野球哲学を買われ、楽天のフロントに。後輩のブラウン氏を監督に迎え入れる直前の訃報(ふほう)だった。61歳は早すぎるが、その足跡はいぶし銀のような輝きを放つ。

 天風録 中国新聞 2009年11月5日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:28| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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