きっかけは50年前。仕事をしたいという女の子2人を、試みに受け入れた。懸命に、でも幸せそうにラベル張りをする姿。女性社員が心を動かされた。「雇ってあげてください。できないことは私たちがカバーします」
悩んだ末に会社も決断した。時計の読めない子には砂時計で、というふうにその人に合わせて工程などを工夫し、困難を乗り越える。この工場を訪れた鳩山由紀夫首相が、所信表明の中で取り上げた。「出番」という言葉とともに
これを任せる。あなたならできる。そう言われると、認められたと感じ、自分の存在感が満たされる。「出番はない」と思っていた人ほど元気になれる。そうした関係を張り巡らせて、社会のきずなを取り戻そうという首相の哲学が、この2文字ににじむ
「米百俵」など故事来歴を引いた歴代首相と違って、自分の体験を織り込むのが鳩山流のようだ。演説の心をどう実現するか、国会の論戦はあすから。政権交代劇場の外にいた野党自民が「今度は出番」と待ち構えている。
天風録 中国新聞 2009年10月27日
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