2009年10月28日

官から民へ、いまさら「親方日の丸」に先祖返りするわけにはいくまい・・・ 天風録 八葉蓮華

「郵」の字は、村里を意味する「おおざと」と、目印の旗などを下げる「垂」からなる。旗を垂らした拠点から拠点へ、手紙や物を運ぶ情景が目に浮かぶ。村々に根ざすところにどこか「公」のにおいがする

 明治の初めまで、通信手段といえば民間の飛脚便だった。国営のネットワークを張り巡らし、郵便と名付けたのは前島密である。山間や海辺で局舎を見つけるとホッとする。長らくそんな存在だったが、時代は「官から民へ」。改革の本丸とあおられ、民営化にかじを切って2年になる

 JP(ジャパンポスト)の略称を掲げた日本郵政。「収益に見合ったサービス」と言うなら、過疎地へ手は回りにくい。一方で「かんぽの宿」を投げ売りするような問題も明るみに。地域に寄り添ってくれるはずの郵便局が、少しよそよそしくなっていた

 政権交代で、「公」の側への揺り戻しが起きている。民営化のシンボルだった初代社長が辞め、次なるトップは元大蔵次官という。脱官僚はどうしたと言いたくなるが、いまさら「親方日の丸」に先祖返りするわけにはいくまい

 今後はネットワークを生かして行政サービスも提供するという。欲は言わない。村里に安心の灯をともす旗を垂らしてほしい。郵の字をまだ捨ててはいないのだから。

 天風録 中国新聞 2009年10月22日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:23| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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