2009年10月19日

核兵器廃絶「ライバルはきのうまでの自分」どれも正論。だけど夢がない・・・ 天風録 八葉蓮華

 「もう一つのオリンピック」の日本招致は、発想を百八十度ひっくり返すところから始まった。2005年、知的障害のある競技者たちを世界中から長野に集めたスペシャルオリンピックス冬季大会のことだ

 ボランティア主体の細々とした国内組織。開催地に名乗りを上げたくても、資金難や人手不足を考えればできっこない。「だからこそやらなきゃ。現状を変えるために」。立候補を勧める米国本部の会長の一言で流れが変わった

 元首相夫人でそのころ理事長だった細川佳代子さんは言う。「反対意見はどれも正論。だけど夢がない」。限界を決めてしまえば、そこでおしまい。「ライバルはきのうまでの自分」。そんなスペシャルオリンピックスの考え方そのものが夢の実現をもたらした

 被爆地広島と長崎が、20年夏季五輪の招致レースに参戦するという。頂点はとてつもなく高い。いくつかの都市との共同開催という道なき道。登山口さえ見つかっていない心境だろう

 ノーベル平和賞をもらうオバマ米大統領でさえ「私の生涯の間には達成できないだろう」と言う核兵器廃絶。その夢の達成を、両市は五輪開催と同じ年に目指す。宿命のライバルは「できっこない」という現実論だ。「だからこそ」で流れを変えることはできるか。

 天風録 中国新聞 2009年10月12日
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新政権の次々に打ち出される政策は、これまでとはずいぶん違う・・・ 天風録 八葉蓮華

 花火といえば夏、と思っていたが、必ずしもそうではなさそうだ。先週末に周南市であったのは「徳山みなとHANABI」。中秋の名月をバックにして競い合う空の大輪に、多くの人が見とれた。きょうは光市でも予定されている

 いずれも秋祭りのアトラクション。各地でイベントが集中する夏を避け、オフを選んでの開催だ。澄んだ空気の中に咲く秋の花火は、昼の熱が冷めやらぬ夏の夕方とはまた違った味がある。物珍しさも手伝っての人出。狙いは当たったようだ

 夏の終わりの日本に打ち上がったでっかい花火は、もちろん新政権である。大向こうの観客に示したマニフェストに沿って次々に打ち出される政策は、色も形もこれまでとはずいぶん違う。見ていて飽きない

 金子みすゞに「わらい」と題した詩がある。「それはきれいな薔薇(ばら)いろで…ぱっと花火がはじけるやうに、おほきな花がひらくのよ」。よくぞ打ち上げてくれた、と笑顔の人もいよう。だが火の粉がかかれば、痛みを受ける人もいるはずだ

 くっきりしている分、消えた後はかえって寂しい。秋の花火には、はかなさも漂う。新政権の政策も、ぱっと上がって後が続かないのでは、見る方はがっかりする。観客を引き込むような仕掛け花火も準備中なのだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年10月11日
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