著者は、香港生まれの在日中国人エコノミスト。東洋でいち早く高度成長を成し遂げた国にあこがれて、留学してきた。それが、ちょうど「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた30年前だ。「根回し」や集団主義が米国の学者に褒めそやされていた
国内総生産(GDP)が年内にも日本を抜き、世界第2位になると言われている母国の勢い。車の生産量や手持ちの外貨額では既にナンバーワン。「エコノミックモンスター」と海外から冷ややかな目で見られるのは、アニマル呼ばわりされた昔のこの国と共通している
市場経済を取り入れたとはいえ、一党独裁が揺るがない。軍事費の伸びも世界でトップである。民主化の遅れる母国に向けた鋭い筆には、礼賛一色ではない著者なりの味付けがにじむ。ひょっとして長期政権で改革がずれ込んだ日本から学んだ教訓だろうか
中国から漢字文化の恩恵を受けてきた日本。明治以降には「経済」「国防」などの和製の漢語が輸出された。「民主」や「人権」「自由」もそう。こちらの分野でのランキングも気にしてもらいたい。
天風録 中国新聞 2009年10月3日
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