2009年10月07日

考古学の世界、発掘捏造事件の後遺症。久々の明るいニュース・・・ 天風録 八葉蓮華

 本人はどこ吹く風のようだ。「日本最古の石器」を見つけたと騒がれている出雲市の成瀬敏郎さん(66)。「私は考古学者ではなく地質学者だから…」。出土品よりも、それをくるんでいた約12万年前の地層の方に関心があるらしい

 日本海の潮風が吹きつける同市多伎町の発見現場。標本のようなしま模様のあのがけが、長雨で崩れていないか。心配して買い物の道すがら立ち寄り、矢尻に似た石が顔をのぞかせているのに気付く

 風に乗って中国大陸から渡ってくる土。その積もり具合から大昔の気流の動きを読み取るのが専門という。定年で大学を去り、1年前にUターン。マイペースで地層の研究に打ち込むはずが、畑違いの発見で取材の嵐に見舞われた

 これまで先史考古学の世界は、逆風に身を縮めていた。2000年に明らかになった発掘捏造(ねつぞう)事件の後遺症。久々の明るいニュースによって「復権」が果たせるかもしれない。願ってもない助け舟になったようだ

 日本の旧石器時代の研究は、約60年前にアマチュアの考古学青年が群馬県岩宿遺跡を見つけてから始まった。「出るはずがない」火山灰層からの大発見にプロは驚いた。今回も専門家の眼中になかった西日本からの出土である。流れを変える風は思わぬ方から吹き込んでくる。

 天風録 中国新聞 2009年10月1日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:21| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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