2009年10月03日

事故報告書「内容を書き換えてくれ」謝れば許してもらえる次元の問題ではない・・・ 天風録 八葉蓮華

 「一言でいえば軽率ということになる」。漢字の誤読が相次いだ麻生太郎前首相が先月、頭を下げた。単なる読み違いであり人格や識見とは別、と言いたかったのだろうか。「軽率」は便利に使われがちな言葉である

 十分に考えず軽はずみに行動すること、と辞書にはある。歌手の倖田來未さんは「35歳を過ぎると羊水が腐る」とラジオでしゃべり、大ブーイングを浴びた。涙ながらに繰り返したのが「軽率でした」。それ以上は責めるのをためらわせるような言葉でもある

 今度は、JR西日本の前社長が口にした。107人が亡くなった4年前の尼崎脱線事故。国の事故調査委員会の報告書案を、あらかじめ手に入れていたという。国鉄時代の先輩である委員と何度も会って「内容を書き換えてくれ」とまで頼んでいた

 JR側の責任を少しでも軽くしたい、との魂胆が見え見えだ。情報漏えいは犯罪行為。被害者や遺族にとっては、とんでもないことだろう。それなのに前社長も当の委員も「軽率だった」とわびるばかり

 「短慮軽率」と四文字熟語でも使われる。言い換えれば出来心。謝れば許してもらえるぐらいのこと、という響きがある。しかし今回の漏えいは、そんな次元の問題ではない。どう身を処すか。ここは熟慮を重ねる時である。

 天風録 中国新聞 2009年9月29日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:26| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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