2016年の五輪開催が決まると、全身で喜びを表したリオデジャネイロの人々。熱気がストレートに伝わってきた。東京の敗因の一つは、地元住民の支持率の低さだろう。56%と4都市でも最低で、都民はなかなか燃えなかった
全国に広げると支持率はさらに下がるはずだ。首都への一極集中はどこまで、という不安へ応えないまま150億円もかけて招致活動が続いた。「地方から見れば東京のエゴでしかない」。広島県の藤田雄山知事の批判は、地方の率直な思いだろう
1964年の東京五輪はその5年前に開催が決まった。返上した40年の幻の大会の夢よ再びと、国を挙げた招致活動が実を結んだ。そのころ世論調査すれば支持率は90%を超えただろう。五つの輪の一つであるアジアでの初開催を、世界中が祝福してくれた
五輪憲章には「スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てる」とある。調和ある発達は、国と国、あるいは中央と地方の関係でも大切ではないか。敗れて学ぶ謙虚さを持ちたい。
天風録 中国新聞 2009年10月4日
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