2009年10月31日

「芸術的なリズム」勝っても負けても、サンフレッチェ広島の攻撃サッカーは楽しい・・・ 天風録 八葉蓮華

 勝っても負けても、サンフレッチェ広島の攻撃サッカーは楽しい。2対0から追いつかれて引き分けた先週のガンバ大阪戦も、スタンドには笑顔があった。「わくわくさせてくれるよね」。称賛の声は相手側からも聞こえる

 機敏なパス回しで相手の守備陣を置き去りにする。パチンコ玉がくぎで角度を変え、カンカンと抜けていくさまを連想させる。イレブンが頭の中で同じ絵を描いているからだろう。人もボールも動くのが「サンフレッチェ劇場」の見どころだ

 1試合平均の観客数が1万5千人を超えている。前期優勝した1994年以来という。こんなサッカーこそ見たかった、との思いが試合場に足を運ばせる。その人波が劇場をさらにもり立てていく

 オペラ好きの五木寛之さんによれば、観劇のこつは「ひいきをつくるに限る」。舞台の歌手や役者と心の糸で結ばれる気がするという。スポーツ観戦も同じだろう。ひいきどころなら、今のサンフレはよりどり見どり。芸達者がそろっている

 残りは5試合。今夜は川崎で2位フロンターレとぶつかる。勝ち点8差に広島など8チームがひしめく戦国J1。「芸術的なリズム」とも褒められる攻撃に、相手ボールを追い回す堅実な守備がかみ合えば、「優勝」の2文字も夢ではない。

 天風録 中国新聞 2009年10月25日
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2009年10月30日

時にさりげなく、時にストレートに、生まれた街を歌に込める・・・ 天風録 八葉蓮華

 広島市出身のロック歌手矢沢永吉さんにとって、古里は「いつか見返す」対象であり続けた。「給食費も払えなかった。上に行かなきゃ、と思った」。高校卒業後、ギターと5万円を持って東京行き夜行列車に飛び乗った。屈辱に別れを告げるように

 そんなエピソードからすれば、意外な映像だった。自身が監修した11月公開のドキュメンタリー映画「E.YAZAWA ROCK」の一場面。長いキャリアを振り返るコラージュで、原爆ドームが数秒間、大写しになった。生まれた街の暗喩(あんゆ)なのだろう

 映画で語っている。「地球環境がどうの、平和がどうの、音楽では言わない」。これまで激しいロックに乗せてきたのは、真夏や真冬を思わせる愛の歌だ。しかし「これからは春や秋の風も歌ってみたい」

 還暦を迎え、創作の幅を広げようとする音楽家の視野に、ヒロシマというテーマも入っているのか。熱い語りに時折のぞく広島弁のイントネーションに親しみを覚えつつ、想像が膨らむ

 広島で青春を過ごした吉田拓郎さんや奥田民生さんは、時にさりげなく、時にストレートに、この街を自作に織り込んでいる。「永ちゃん」が歌に込めるのは、怒りなのか、和解なのか、それとも…。遠からぬ日に聴きたい。

 天風録 中国新聞 2009年10月24日
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2009年10月29日

「見える化」自己責任論で片付かないことは、100年近くたった今も変わらない・・・ 天風録 八葉蓮華

「驚くべきは現時の文明国における多数人のビンボウである」。こんな書き出しで始まる河上肇「ビンボウ物語」。公刊されたのは大正年間の1917年だ。超大国だった英国のありさまを紹介している

 市場主義の元祖の国だ。一握りの大金持ちが富を占め、食べていけない多くの人たち。毎日働いても「賃銭が少ないためにビンボウ線以下に落ちている者」の情けなさ…。「格差」や「ワーキングプア」の世界である

 政府が初めて「ヒンコン率」を発表した。15・7%という数字は、7人に1人がヒンコンということだ。先進国の中では米国に次いでワースト2。「一億総中流」と言われていたのは、いつのことだったか。今の日本は既に「ビンボウ物語」の風景だ

 河上は、勤勉を勧める当時の歌を引いている。「身のほどをしりからげしてかせぎなばビンボウ神のつくひまもなし」。そして反論している。「いくら働いてもビンボウを免れぬ」のがこの時代の経済の仕組みなのだと。自己責任論で片付かないことは、100年近くたった今も変わらない

 では国は何を? まずヒンコン率を明らかにすることから、と研究者は訴えていた。自公政権は応えなかったが、民主党政権は格差の「見える化」に踏み切った。「政治のヒンコン」と言わせない覚悟がある、と見たい。

 天風録 中国新聞 2009年10月23日
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2009年10月28日

官から民へ、いまさら「親方日の丸」に先祖返りするわけにはいくまい・・・ 天風録 八葉蓮華

「郵」の字は、村里を意味する「おおざと」と、目印の旗などを下げる「垂」からなる。旗を垂らした拠点から拠点へ、手紙や物を運ぶ情景が目に浮かぶ。村々に根ざすところにどこか「公」のにおいがする

 明治の初めまで、通信手段といえば民間の飛脚便だった。国営のネットワークを張り巡らし、郵便と名付けたのは前島密である。山間や海辺で局舎を見つけるとホッとする。長らくそんな存在だったが、時代は「官から民へ」。改革の本丸とあおられ、民営化にかじを切って2年になる

 JP(ジャパンポスト)の略称を掲げた日本郵政。「収益に見合ったサービス」と言うなら、過疎地へ手は回りにくい。一方で「かんぽの宿」を投げ売りするような問題も明るみに。地域に寄り添ってくれるはずの郵便局が、少しよそよそしくなっていた

 政権交代で、「公」の側への揺り戻しが起きている。民営化のシンボルだった初代社長が辞め、次なるトップは元大蔵次官という。脱官僚はどうしたと言いたくなるが、いまさら「親方日の丸」に先祖返りするわけにはいくまい

 今後はネットワークを生かして行政サービスも提供するという。欲は言わない。村里に安心の灯をともす旗を垂らしてほしい。郵の字をまだ捨ててはいないのだから。

 天風録 中国新聞 2009年10月22日
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2009年10月27日

器を味わう「風味」日本人が古くからはぐくんできた食文化・・・ 天風録 八葉蓮華

 「本日の入荷はありません」。きのう広島市内の特産品店をのぞいたら、こんな断り書きがしてあった。やっと見つけたデパートでは、大ぶりな2本入りに8万4千円の値札が。「ゼロが一つか二つ少なければ」とため息が出た

 広島の秋を代表するマツタケ。ピークを迎える時季なのに、県内の産地は軒並み、かつてない不作に見舞われている。世羅町では集荷量が例年の20分の1がやっと、と本紙が報じている。盆すぎからぶり返した残暑。9月以降の雨不足も追い打ちを掛けているようだ

 「もう松茸(まつたけ)も出る頃(ころ)でせう。松茸どころかこちらは一カ月以上も米の味を忘れて居ます」。被爆後に上京した原民喜が廿日市の兄にあてて、食糧難にあえぐ日々をつづった手紙である。古里への思いをマツタケのある風景に重ねたのだろうか

 そのものの味を舌で受け止めるというよりも、香りと歯ごたえを楽しむのがマツタケ。「風味」という言葉がぴったりくるようだ。「器を味わう」のと同じように、日本人が古くからはぐくんできた食文化かもしれない

 山も荒れて、すっかり高根の花になってしまったマツタケ。手ごろな値段の外国産にしたり、食感が似るエリンギで代用したりする向きも多かろう。古里の山の香味の再生に、打つ手はないか。

 天風録 中国新聞 2009年10月21日
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「ツイッター」時には、顔を合わせたり、文を手書きしたりして気持ちを伝えたい・・・ 天風録 八葉蓮華

「今、何してる?」「散歩中。キンモクセイがいい香り」。ネットのサイトに登録して「つぶやき」を発するツイッターが人気を呼んでいるという。140字までで、ブログのミニ版という感じ。他の人の感想が加わることもある

 おしゃべりなどの意味があるツイッター。米国で2006年からサービスの提供が始まり、世界で3700万人が利用している。その中にはオバマ大統領もいて、ノーベル平和賞に決まった際には「身が引き締まる思い」と、一言つぶやいたらしい

 誰かと何かでつながりたい、という感覚は万人共通なのだろう。昨春には日本語版もスタート。たどっていくと、ライブドア元社長の堀江貴文氏のサイトに出くわした。4年前の郵政選挙で広島でもおなじみのホリエモンだ。つぶやきの一つが「手紙などの郵便はもう必要ないかも」だった

 確かにメールのやりとりが増え、手紙を書く習慣は失われつつある。それでも、文書を送る際のあて名ぐらいは手書きする。「小包のラベルにも定形郵便の封筒にも、ドラマが宿っています」と、郵政社員のつぶやき返しもあった

 ネットは手軽で早い。でも時には、顔を合わせたり、文を手書きしたりして気持ちを伝えたい。面倒だけど、人間自体がアナログなのだから。

 天風録 中国新聞 2009年10月20日
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2009年10月25日

新型インフルエンザ、将来の「イフ」今月になって全国で患者が急増している・・・ 天風録 八葉蓮華

 歴史に「イフ」はないが、もし約200年前、呉市川尻生まれの船乗り、久蔵の話を広島藩の役人がまともに聞いていたら、と思う。天然痘がはやって多くの人がシぬ時代。「これを用いれば助かり申し候」と「種痘苗」を手に必死で訴えただろうに

 紀伊半島沖でしけに遭った。流れ流れてたどり着いたのはロシア。3年間世話をしてくれた医師は、ジェンナーによって開発されたばかりの天然痘ワクチンの技術を持っていた。日本に帰る時のお土産として託してくれたのが「苗」である

 今の日本の役所の人は、将来の「イフ」に敏感だった。強毒性の新型インフルエンザが発生して多くのシ者が出るかもしれない…。海外から入ってくるのを水際で食い止め、患者は「隔離」して―と万全の対策を練っていた。ところが毒性は思いのほか弱かったので、何やら肩すかし

 そこでつい油断したツケというわけでもあるまいが、今月になって全国で患者が急増している。「学級閉鎖で子どもは家にいる」「うちは修学旅行が中止に」。そんな話を身近に聞く

 久蔵の時代と違ってワクチンは引く手あまた。きょうからは、まず医師や看護師への接種が始まる。でも一般の人にはなかなか順番が回ってこないらしい。ならば一にも二にも、手洗いとうがいを。

 天風録 中国新聞 2009年10月19日
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2009年10月24日

被爆地が掲げる核兵器廃絶の目標年「2020」悲願への道のりはまだ険しい・・・ 天風録 八葉蓮華

 学校が歴史を閉じる時、後世に何を残すか。校庭に人文字を描くやり方もある。統合に伴って今春閉校した呉市の3小学校もそう。長年親しんだ校名などを作って空から撮影し、記念とした。ここで学んだと、子どもたちの記憶に残るに違いない

 人文字といえば空撮。小型機が身近となる高度成長期以降に広がったようだ。一人一人には全体像が見えなくても、遠くに向けメッセージを出せる。前後左右の仲間たちと一つの思いを共有できる。そんな効用もあるのだろう

 最近では世界各地の人文字が次々と国際ニュースになる。ベルギーの海岸で「今こそ行動せよ!」と温暖化に警鐘を鳴らし、インドの農民は「石炭反対」と火力発電所計画に異議を申し立てた。海を越えて画像が届くのだから、アピール度は高い

 きのう旧広島市民球場であった市民集会の人文字も、きっと世界に伝わるだろう。「2020」。被爆地が掲げる核兵器廃絶の目標年だ。核軍縮の道筋を論じるために広島入りした専門家たちを前に、小学生ら330人が白いパネルを掲げた

 追い風は吹くが、悲願への道のりはまだ険しい。子どもたちの胸に刻まれた人文字の体験。「あの日のメッセージがついに実現したか」と、記憶がよみがえってくる日はいつになれば来るか。

 天風録 中国新聞 2009年10月18日
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2009年10月23日

友好都市「世界最長の斜張橋」世代や空間を超えて架かる見えない橋もある・・・ 天風録 八葉蓮華

 セーヌ川の河口にあるフランスのオンフルール。人口8千人の町だが、港の風景は、マネやモネら印象派の画家を引きつけた。郊外の海岸がノルマンディー上陸作戦の主戦場になったことでも知られている

 尾道市立美術館で開かれている写真展を見て、この町が身近に感じられてきた。市出身の写真家松本徳彦さん(73)が、人々の暮らしを切り取っている。ヨットの浮かぶ海や、古くからの石畳。お年寄りはその年に応じた風格をにじませ、若者が親しそうに話しかけている

 オンフルールと対岸を結ぶ「ノルマンディー橋」は、世界最長の斜張橋だった。それを抜いたのが、しまなみ海道の多々羅大橋である。その縁で双方が姉妹橋の提携を結んで10年。節目を記念して企画されたのが写真展だ

 松本さんによれば「時間がゆったり流れる町」なのだという。遠くの知らない町の人なのに、旧知のような懐かしさを覚える。橋が架かる前も後もおそらく変わらないであろう日々の暮らし。きっと尾道と同じではないか、と思えてくる

 日仏の二つの町は、友好都市にもなっている。尾道市が全国の高校生を対象に1年おきに募集している絵画展があり、受賞者のごほうびはオンフルールへの招待だ。世代や空間を超えて架かる見えない橋もある。

 天風録 中国新聞 2009年10月17日
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2009年10月22日

時代を先取りした水先案内人、潮に乗って世界中に流れて行ければうれしい・・・ 天風録 八葉蓮華

 海は人々を隔てるのではなく、結びつける。瀬戸内海も古くから、近畿と九州、果ては中国大陸との船が行き交う大動脈だった。歴史に彩られた景観を気に入っていたのが、5月に亡くなった囲碁の名誉棋聖、藤沢秀行さんである

 先ごろ、遺言通り周南市沖の周防灘に散骨された。「潮に乗って世界中に流れて行ければうれしい」。そう家族に話していた。棋聖戦で周南を訪れたのは、ちょうど30年前。対局の合間に見た海がよほど印象的だったのだろうか

 「八方破れ」と自称するほど酒やギャンブルでの失敗が絶えなかった人生。それでも、慕ってくる後輩は分け隔てなく鍛え上げた。1980年代には毎年のように中国や韓国を訪れ、若い才能を開花させた

 プロの卵だった戦前、中国戦線の兵士を励ます訪問団に加わり神戸から瀬戸内海を抜けて上海へ。周防灘を選んだのは、外海に直接通じているからだろう。「墓のような窮屈な所には入らない」。あの世でも広い舞台を求めた言葉にもふさわしい

 囲碁ファンは中国や韓国でも増え、世界大会で何度も優勝するほど実力も上がってきた。折しも、日本は明治以来の「脱亜」を見直そうとしている。3国の交流を橋渡ししてきた藤沢さんは、時代を先取りした水先案内人だったかもしれない。

 天風録 中国新聞 2009年10月16日
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2009年10月21日

中枢都市の魅力「札仙広福」三拍子そろって、それぞれの地方ブロックを背負っている・・・ 天風録 八葉蓮華

 セ、パ両リーグのレギュラーシーズンが終わり、プロ野球は明日からクライマックスシリーズ(CS)が始まる。わが広島カープが出場できないのが、とりわけ寂しい。セではなく、パ・リーグの上位3チームを見て、そう思う

 日本ハム、楽天、ソフトバンク。本拠地が札幌、仙台、福岡で、これに広島が入った「札仙広福」というフレーズを思い出す。1990年代初め、地方中枢都市の声を国土整備に反映させようと、地元の経済団体が共同で提言活動を始めた。大規模な取り組みは終わったが、交流は今も続く

 4市を比べると、広島はものづくりで強みはあるものの、交通網の整備などでは見劣りがした。しかし、地元にプロ野球の球団があるのが自慢。かつての西鉄ライオンズがなくなった福岡市の友人から、うらやましがられたこともある

 プロサッカーと交響楽団を加えて、三拍子そろっているのは広島だけの時代もあったが、今や、すべてに追いつかれている。もっとも、サンフレッチェの活躍は心強い限りだ

 日ハム、楽天がチーム名に北海道、東北とそれぞれの地方ブロックを背負っている点にも注目したい。幸い、新球場には広島県外からの入場客も目立つ。中国地方全体を視野に入れてこそ、中枢都市の魅力も一層高まる。

 天風録 中国新聞 2009年10月15日
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2009年10月20日

自分自身の目で発見すること「現物」に出合えるのが、博物館ならではの魅力・・・ 天風録 八葉蓮華

 1600万年前の中国山地は海で、鯨が泳いでいた。頭では知っていても、全長7メートルほどの化石を目の前にすれば、あらためて「ほう」と思う。象牙のようなあごやあばら骨。複製とはいえリアルで、圧倒される

 自然系博物館のない広島市で、市民団体が開いた1日限りの「出前自然史博物館」。一部は触ることもできる。縄文時代に埋まった木の輪切りや、アンモナイトの灰色の化石。太古にタッチしたような気さえする

 「現物」に出合えるのが、博物館ならではの魅力だ。出雲市の古代出雲歴史博物館では、発見されたばかりの12万年前とされる旧石器が公開された。初日だけで千人以上が詰め掛けたという。苦労して加工したかもしれない石片を間近にした人は、どんな感想を抱いただろう

 今やIT技術を駆使した「デジタルミュージアム」も登場する。パソコンさえあれば、精密で傷むことのない立体画像を見ることもできるようになった。データをもとに構成された仮想の像なのだが、ついそれを忘れそうになる

 「自分自身の目で発見すること」。科学者の寺田寅彦が、俳句の師匠であった夏目漱石に教えられた、とつづっている。はるかな歴史の中に連なっている自分。現物とじかに向き合ってみると、そんな発見もある。

 天風録 中国新聞 2009年10月14日
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2009年10月19日

核兵器廃絶「ライバルはきのうまでの自分」どれも正論。だけど夢がない・・・ 天風録 八葉蓮華

 「もう一つのオリンピック」の日本招致は、発想を百八十度ひっくり返すところから始まった。2005年、知的障害のある競技者たちを世界中から長野に集めたスペシャルオリンピックス冬季大会のことだ

 ボランティア主体の細々とした国内組織。開催地に名乗りを上げたくても、資金難や人手不足を考えればできっこない。「だからこそやらなきゃ。現状を変えるために」。立候補を勧める米国本部の会長の一言で流れが変わった

 元首相夫人でそのころ理事長だった細川佳代子さんは言う。「反対意見はどれも正論。だけど夢がない」。限界を決めてしまえば、そこでおしまい。「ライバルはきのうまでの自分」。そんなスペシャルオリンピックスの考え方そのものが夢の実現をもたらした

 被爆地広島と長崎が、20年夏季五輪の招致レースに参戦するという。頂点はとてつもなく高い。いくつかの都市との共同開催という道なき道。登山口さえ見つかっていない心境だろう

 ノーベル平和賞をもらうオバマ米大統領でさえ「私の生涯の間には達成できないだろう」と言う核兵器廃絶。その夢の達成を、両市は五輪開催と同じ年に目指す。宿命のライバルは「できっこない」という現実論だ。「だからこそ」で流れを変えることはできるか。

 天風録 中国新聞 2009年10月12日
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新政権の次々に打ち出される政策は、これまでとはずいぶん違う・・・ 天風録 八葉蓮華

 花火といえば夏、と思っていたが、必ずしもそうではなさそうだ。先週末に周南市であったのは「徳山みなとHANABI」。中秋の名月をバックにして競い合う空の大輪に、多くの人が見とれた。きょうは光市でも予定されている

 いずれも秋祭りのアトラクション。各地でイベントが集中する夏を避け、オフを選んでの開催だ。澄んだ空気の中に咲く秋の花火は、昼の熱が冷めやらぬ夏の夕方とはまた違った味がある。物珍しさも手伝っての人出。狙いは当たったようだ

 夏の終わりの日本に打ち上がったでっかい花火は、もちろん新政権である。大向こうの観客に示したマニフェストに沿って次々に打ち出される政策は、色も形もこれまでとはずいぶん違う。見ていて飽きない

 金子みすゞに「わらい」と題した詩がある。「それはきれいな薔薇(ばら)いろで…ぱっと花火がはじけるやうに、おほきな花がひらくのよ」。よくぞ打ち上げてくれた、と笑顔の人もいよう。だが火の粉がかかれば、痛みを受ける人もいるはずだ

 くっきりしている分、消えた後はかえって寂しい。秋の花火には、はかなさも漂う。新政権の政策も、ぱっと上がって後が続かないのでは、見る方はがっかりする。観客を引き込むような仕掛け花火も準備中なのだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年10月11日
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2009年10月17日

ノーベル平和賞「核なき世界というゴールを追求する」あなたの目標の実現を後押ししたい・・・ 天風録 八葉蓮華

 ノーベル平和賞がここまで注目されるのは、1千万スウェーデンクローナ(約1億2700万円)という高い賞金を出すからに違いない。「ならばその10倍の賞金で」と、ある機関が別の賞を設けたことがある

 「しかしすぐに額を落としたという。平和賞の本質は金額ではないのだ、と気づいたのかもしれない」。ノルウェーのノーベル賞委員会の委員長が、2年前に広島を訪れて明かしたエピソードである

 物理学や化学などそのほかのノーベル賞は、実績を挙げて評価が定まった人に贈られる。いわばごほうび。しかし平和賞は、ダライ・ラマ14世ら現在の政治に影響を与える人に贈られることが多い。「あなたの目標の実現を後押ししたい」と期待を込めた励まし。それが平和賞の「本質」だろう

 オバマ米大統領が、今年の平和賞に選ばれた。下馬評は「本命なし」だった。大統領は就任して1年にもならない。もらうにしてもまだ先、というのが大方の見方だった。「核なき世界というゴールを追求する」というプラハ宣言の力を思う

 世界には核保有をもくろむ国があり、国内には保守派という難敵がいる。「実現は私が生きている間は無理だろう」とも言っていたオバマ氏。受賞が、そうした勢力をけん制し、ゴールをたぐり寄せる力になれば…。

 天風録 中国新聞 2009年10月10日
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2009年10月16日

もろそうな命や心「村上ワールド」傷ついても人は成長し、つながり合える・・・ 天風録 八葉蓮華

 台湾では「非常村上」という流行語があるそうだ。まるで「村上ワールド」のようにすてきという意味らしい。今回もノーベル賞はお預けになった村上春樹さんだが、海外での読まれ方は賞以上に熱っぽい

 翻訳出版は40カ国近い。米国やロシアの書店ではコーナーまであるほど。日本人作家の中では別格の扱いだ。その人気の秘密はどこにあるのか。ブームが起きる年の世界史年表を見つめると、ヒントが浮かんでくるという

 ベルリンの壁が壊れた年もあれば、あの米国を揺るがした「9・11」もある。絵空事の世界と思われたものが、この世のものとなる。いつまでも続くと思われた現実が崩れたとき、漂流するような心が出現する。そんな時「傷ついても人は成長し、つながり合える」。それが村上作品の救いなのだろうか

 揺るぎないように見える体制を「壁」に、もろそうな命や心を「卵」にたとえる。そのうえで「私は卵の側に立つ」と言い切った。今年2月のエルサレム賞を受賞した際のスピーチである。世界はいつか変わり得る、とも受け取れるメッセージだ

 自民党の長期政権崩壊と前後したのが、最近作の「1Q84」だった。ミリオンセラーの売れ行きはなぜか。崩れた壁の向こうに、「卵」の心が漂っているようにも見えてくる。

 天風録 中国新聞 2009年10月9日
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2009年10月15日

構想日本「右肩下がりの時代」無駄遣いの洗い出しの最大の武器が、事業仕分け・・・ 天風録 八葉蓮華

「仕分け人」という造語を初めて聞いた。仕分けるのは郵便物ではなく自治体や国の事業だ。公開の場で論じ合い、「不要」「民間などへ」「見直して実施」「実施」のいずれかに決める。しがらみ抜きで事業の当否を判定する面々。なにやら「必殺仕事人」の趣も漂う

 神奈川県厚木市職員の荒井英明さん(51)は草分けの一人である。「右肩下がりの時代なのに、前例の踏襲や補助金目当ての事業が止まらないのはなぜか」。7年前、仲間やシンクタンク「構想日本」と始めたのが事業仕分けだ。全国36自治体にまで広がったのには訳がある

 仕分け人はボランティア。多くは事情に精通した他自治体の職員というのがミソだ。仕分けられる側の職員の緊張ぶりが目に浮かぶが、磨き合いは意識改革につながる。市民代表の判定員が加わるケースも増えた。こちらは「お任せ民主主義」を打ち破るきっかけになるかもしれない

 仕分け人はいよいよ国政の本丸へ。「構想日本」の加藤秀樹代表が、行政刷新会議の事務局長に就く。無駄遣いの洗い出しの最大の武器が、事業仕分けである

 地方を熟知する仕分け人として、前鳥取県知事の片山善博氏も助太刀する。ドラマほど簡単ではなかろうが、無駄を仕置きする必殺技を見せてくれるか。

 天風録 中国新聞 2009年10月8日
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2009年10月14日

無形文化遺産「石州半紙」伝統を支える人たちにとっても、励みになるうれしい便り・・・ 天風録 八葉蓮華

 和紙の入門書として、今もヨーロッパで翻訳が売れているというから驚く。江戸時代の益田の紙問屋、国東治兵衛が著した「紙漉(かみすき)重宝記」。東京の美術館で展示中の木版本を見た

 誰でも農閑期の仕事として紙漉きができるように、と刊行したという。それだけにさし絵は分かりやすい。原料のコウゾの皮をはぐ。煮る。たたいてつぶす。紙に漉く。乾かす…。おのおのの作業の様子が手に取るように描かれている

 当時の技法をそのまま伝えている、として「石州半紙」がユネスコの無形文化遺産に登録された。小千谷縮(ちぢみ)(新潟県)などと並んで13件のうちに入った。中国地方ではただ一つ。伝統を継ぐ浜田市三隅町の4人はもとより支える人たちにとっても、励みになるうれしい便りだろう

 「厚くぱりっとし、手ざわりもきわめてごつごつし、何ともいえない故郷の味」と益田出身の作家田畑修一郎が書いている。山がちの風土をも漉き込んだような趣。「豪快な線を出すには持ってこい」と愛用する書家もいるという

 ユネスコ登録によって、翻訳本の読者をはるかに超える世界の人々が、この紙に目を向けるだろう。インテリアなどへの用途も広がるかもしれない。何よりも、日本の人たちが隠れた遺産を再発見する機会になればいい。

 天風録 中国新聞 2009年10月7日
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2009年10月13日

赤ヘル強い思い「夢の器」スタンドで応援に声をからすファンも着実に増えている・・・ 天風録 八葉蓮華

 走攻守の三拍子そろった活躍が記憶に残る。広島カープを引退して4年の野村謙二郎さん。また赤いユニホームに袖を通すことになりそうだ。来季からマーティー・ブラウン監督に代わって指揮を任されるという

 「先にメジャーリーグに行ってくれると思っていた」。そうイチロー選手に言われたほどの実力。全盛期は「大リーグに最も近い男」とも呼ばれた。それでもメジャーからの誘いを断り、FA権も使わなかったのは、赤ヘルへの強い思いがあったからだろう

 生え抜き新監督に期待されるのは、まず13年ぶりのAクラス入りだ。投手力は先発、中継ぎ、抑えのいずれも整ってきた。これに「攻撃力」「守備力」が加われば、黄金時代の三拍子の復活。この人ならではの厳しさで鍛えてほしい

 米国流の陽気さと、思い切った若手起用、時にはベースも投げる派手なパフォーマンスでチームの活気を引き出したのはブラウン監督の功績だ。今季もクライマックスシリーズ進出を終盤まで争うほどに力もつけてきた。バトンを受ける新監督には、期するものがあろう

 新球場という「夢の器」はできた。スタンドで応援に声をからすファンも着実に増えている。後はチームの力だ。三拍子そろえて、Aクラスと言わず優勝争いに食い込みたい。

 天風録 中国新聞 2009年10月6日
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2009年10月11日

家族の時は止まったまま「時効」世の関心は薄らぎ、逃げおおせれば罪にならないのか・・・ 天風録 八葉蓮華

 そこでは、時が止まっている。机の上の教科書も、お気に入りだった服も当時と同じだ。廿日市市の高校2年だった北口聡美さんの部屋。自宅に押し入った男にコロされた。未解決のまま、きょうで5年になる

 生きていれば22歳。「就活」して来春は大学を卒業する年ごろだ。友達は盆や命日に来て、近況を聞かせてくれる。「うれしい半面、複雑な気持ちも」と父親の忠さん(52)。周りの時は流れても、娘は少女のまま。成長した姿までは思い浮かべられないという

 「事件らしい」との連絡で、地元の支局から現場に駆けつけた。ロープの向こうでは捜査員が血相を変えて動いている。やがて「娘さんがコロされた」と聞く。白昼の住宅での惨劇。受けたショックは今も鮮明だ

 犯人の靴の種類は分かっている。若い男の似顔絵もある。父親は、これはと思った男性がいると、すぐ靴を見る。それから顔をのぞく。5年のうちに習慣になってしまった。ただ世の関心は薄らぎ、事件を話題にする人もだんだん少なくなってきた

 このままさらに10年たつと、時効の日を迎える。家族の時は止まったまま。なのに犯人の「時」は時効に向かって刻々と進む。「納得できない。逃げおおせれば罪にならないのか」。そう問われて、返す言葉に窮する。

 天風録 中国新聞 2009年10月5日
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