初代館長を務めた医師の故吉田璋也さんがデザインし、地元の職人に頼んで作ってもらったという。材料の木、紙、漆などの材料はすべて鳥取産。小津安二郎監督の名作「麦秋」などにも、同じスタンドが小道具として、さりげなく登場する
収集した古い民芸品とともに家具、焼き物、染織、和紙など自らプロデュースした品物も並んでいる。職人たちを励まし、経済面でも支えた。手仕事に光を当てて「民芸運動の父」と呼ばれる柳宗悦と親交が深く、「民芸の母」と呼ばれることもある
職人技の素晴らしさを広く知ってもらう美術館と相前後して、東京と鳥取に販売店を開いた。後にはその器で味わう料理店までオープンしている。「使い手」を発掘し、「作り手」を育てようとする吉田さんの発想には感心する
くだんのスタンドは半世紀以上を経た現在も、後を継いだ職人の手で作られている。長年使って傷んでも、修理してもらえる。だから愛着もいっそう深まる。まだまだ「使い捨て」が幅を利かすご時世。小さな灯を見守っていきたい。
天風録 中国新聞 2009年9月5日
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