自民党が、結党から半世紀も守り通してきた衆院第1党の座から転げ落ちた。これまでは何のかんのと批判を浴びても、土壇場になったら「やっぱり自民」という票を吸い寄せてきた。かつての底力は今や、見る影もない
人は、負けて初めて身の処し方を考える。昭和の大横綱、北の湖は憎たらしいぐらい強く「負けろー」とやじが飛ぶほどだった。ところが盛りを過ぎ、負けが込んでくると、逆に「頑張れよ」と声がかかるようになった。それで「引き際」と悟ったという
「負けたら終わりなのではない。あきらめたら終わりなのだ」。ニクソン元米大統領の言葉だ。ケネディに敗れたが8年後の選挙で、雪辱を果たした。こちらは、いかにもチャレンジを尊ぶ国らしい
明治維新の立役者の一人、長州出身の木戸孝允の句がある。「世の中は桜の下の相撲かな」。満開の花を目にするのは勝った方ではなく、転がされてあおむけになった方だ。負けて「下から目線」になって見えるものもある、と教えられる。
天風録 中国新聞 2009年8月31日
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