2009年09月30日

その場その場で相手を気遣いながら、自らも楽しみも忘れない・・・ 天風録 八葉蓮華

 家に招いた客に手料理を勧める。さて、どう声を掛けようか。「おいしいから召し上がって」。この人の場合、ためらうことなく、言葉が出てくる。いつも息子にたしなめられたという

 首相夫人として「外交デビュー」を飾った鳩山幸さんが、著書で明かすエピソードだ。米国滞在中も、そんな率直さが目立った。視察先の施設で少年と即興でデュエットしたり、米大統領夫人のミシェルさんと抱き合ったり。大舞台にも全く物おじしていなかった

 元タカラジェンヌ。並みいる歌劇団員の中から選抜され、海外公演に参加したこともある。長い米国暮らし。こんな経験もあって大勢の人の前に出ても緊張せず、自然と言葉が出てくるようになったようだ

 料理好きでも知られる。レシピ本も出しているほど。見栄えがいいものを、さっと作る。しかも、ただ料理を出すのではなくて、食卓に座って会話を楽しむ。「鳩山レストラン」と呼ばれるほどの行き届いたもてなしは、周到な支度や段取りがあったればこそだろう

 ニューヨークの高齢者施設を訪れた時は、お年寄りの体をさりげなく笑顔で支える姿が報じられた。その場その場で相手を気遣いながら、自らも楽しみも忘れない。そんな新しい感性が求められる時代かもしれない。

 天風録 中国新聞 2009年9月27日
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2009年09月28日

体験取材「観光ガイド」伝統工芸やできれば農の現場ものぞいてほしい・・・ 天風録 八葉蓮華

韓流スターのペ・ヨンジュンさんが倒れたのはストレスが原因らしい。日韓同時発売する観光ガイド本。ロケ地を回るだけのファンに、伝統工芸やできれば農の現場ものぞいてほしい―。締め切りを気にしながらの体験取材と慣れない執筆。10キロ以上やせたという

 出版記念の記者会見で「農家になりたい」。そう明かしたと韓国紙が報じた。夜明けとともに働きだし、暮れたら今日はおしまい。時計とのにらめっこをしばし忘れられた農業体験に心を奪われたようだ

 おおらかな野良仕事に癒やされる。本紙島根版の連載「農の力」も、そんな若者の姿を伝える。給料据え置きで営業ノルマに追われ続けた脱サラ青年。「今は頑張った分、野菜がうまくなってくれる」と味の見返りに満足げだ

 作物そのものに育つ力は秘められている。それを引き出してやるのが人間の出番、農の妙味なのかもしれない。「米をつくる、ではなく、田をつくる。それが本当の言い方だ」。ベテラン農家の言葉にうなずいた覚えがある

 「大地を踏み、土を触りたい」とヨン様。よほど気分が晴れたのだろう。歌は苦手と言いながら「農家になったときには歌おう」と約束してしまった。「それはいつ」と期待するファンの声がまたストレスにならねばいいが。

 天風録 中国新聞 2009年9月25日
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2009年09月27日

まず無駄を省こう「経営の神様」70億円もの私財を投じた松下政経塾・・・ 天風録 八葉蓮華

パナソニック創業者の故松下幸之助さんが、政治にこう注文した。「まず無駄を省こう」。敗戦の翌年、焼け跡の日本の立て直しに心を砕いていた。今の政権のスローガンと似ている

 小さな町工場を、世界企業に育てた「経営の神様」。仕事のちょっとした無駄にも厳しかった。あいさつだけの得意先回りはだめ。報告のためだけの報告書はいらない。今年、相次いで出版された語録や逸話集からは、その徹底ぶりが見える

 ただ単なるケチケチではなかった。「不況時こそ金を使え」がモットー。周りが「無駄では」と思っても、社会に役立つ生きた金と信じれば惜しまない。晩年、70億円もの私財を投じた松下政経塾もその一つだ。次代のリーダーを育てようと、自らも思いを伝えた

 戦後の政治が水膨れさせた国の予算。無駄に切り込もうとする鳩山内閣の大臣、副大臣のうち6人が「塾生」である。前原誠司国土交通相もその一人だ。きのう乗り込んだ群馬県の八ツ場(やんば)ダム。「工事は必要」と言う住民にそっぽを向かれた

 やめても続けても、巨費がかかる。どちらが無駄で、どちらが「生きた」使い道か。ここは考えどころだろう。難題に直面したら…。「誰の言うことでも一応は素直に聞く。虚心になって」。松下さんはそう言い残している。

 天風録 中国新聞 2009年9月24日
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2009年09月25日

友愛外交「外交の力」一得一失をパッケージにした「大きな絵」を描く・・・ 天風録 八葉蓮華

 日本の新聞には分刻みの「首相の動静」が載る。この欄を北朝鮮との交渉で生かしたのは、外務省アジア大洋州局長だった田中均さんだ。「総理と常に相談しているのが分かるはず」。首脳とのつながりを探ろうとする北朝鮮の高官に欄を見るよう促した

 2001年秋から1年間、水面下で重ねた交渉は二十数回。小泉純一郎首相の動静欄に田中局長は88回登場する。田中さんも金正日(キムジョンイル)体制内での高官の力を目の当たりにした。そんな信頼関係が02年の日朝平壌宣言に実を結ぶ。退官した田中さんが著書「外交の力」で明かした

 渡米した鳩山由紀夫首相。米国流グローバリズムを批判した論文が一時は波紋を広げた。電話でオバマ大統領に呼びかけた未来志向の関係を築くための会談。まずは首脳間の信頼関係づくりだろう

 「対等な日米関係」の速やかな実現は容易ではあるまい。ただ、外交交渉はギブ・アンド・テーク。日朝交渉でも北朝鮮は拉致を認める一方、日本からの経済協力を見込んだ。交渉の時間軸を広げ、一得一失をパッケージにした「大きな絵」を描く。田中さんが汗をかいた点だ

 鳩山首相の「友愛外交」は究極の大きな絵だろう。惜しむらくは漠としている。志を理解する外交官をえりすぐり、下絵をキャンバスにどう描くか。

 天風録 中国新聞 2009年9月22日
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2009年09月23日

ウミやアカ「既得権益」初登庁を拍手も花束もなしで迎えた官僚たち・・・ 天風録 八葉蓮華

 旅人の外套(がいとう)はどうやったら脱がせられるか。北風がビュービュー吹きつけると、襟をますます固く合わせるだけ。代わって太陽がぽかぽかと照らすと…。よく知られたイソップの寓話(ぐうわ)である

 官僚が長く着込んでいる「既得権益」などがしみついた古い外套。取り払って見せると約束した民主党が、政権に就いた。内閣のスタートとともに、早速、大臣がそれぞれの官庁に乗り込んだ

 北風をビューと吹かせたのは長妻昭厚生労働相である。訓示で「皆さんとぶつかるかもしれない。たまったウミやアカを洗いざらい表に出してもらいたい」。初登庁を拍手も花束もなしで迎えた官僚たち。上目遣いに、風の具合を測っているかにみえた

 野党の時は、綿密な調査による鋭い質問で「消えた年金」をあぶり出した長妻氏。その勢いで、と国民の期待はいやが上にも高まる。ただ省内にあって北風を吹き募らせるばかりでは、そう簡単に人は動こうとしないだろう

 人たらしといわれた田中角栄元首相は大臣時代、新人にこう訓示したという。「君らの上司にはバカもいる。何かあったら遠慮せずにこの大臣室に駆け込め」。そこまで言われると誰でも心がしびれよう。時に北風となり、時に太陽となる新たな平成のイソップ物語が成るかどうか。

 天風録 中国新聞 2009年9月20日
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2009年09月22日

人生はさよならだけね、ハナニアラシノタトヘモアルゾ/サヨナラダケガ人生ダ・・・ 天風録 八葉蓮華

 備後地方ゆかりの作家、井伏鱒二と林芙美子が連れ立って因島まで出掛けたことがある。1931年、芙美子が「放浪記」によって世に認められた翌年のこと。尾道で講演を終えた後の小旅行である

 二人はそれまで、ほとんど面識がなかった。著書によると鱒二は、5歳下の芙美子の強引な誘いに渋々従ったらしい。ところが帰りの船で、芙美子の意外な姿を目にする。地元の人たちの見送りに感極まったのか、船室に駆け込み「人生はさよならだけね」と泣き伏したのだ

 放浪の作家の激情に当惑しながらも、その時の光景が強く心に残ったのだろう。数年後、あの有名な漢詩の意訳が生まれた。「ハナニアラシノタトヘモアルゾ/サヨナラダケガ人生ダ」。そんな二人の不思議な縁を示す特別展が、ふくやま文学館(福山市)で開かれている

 直筆の色紙や詩文が間近に並ぶ。芙美子のコーナーには、最近見つかった詩の原稿もあった。興が乗ったようなペン書きで「花のいのちはみじかくて/苦しきことのみ多かれど/風も吹くなり/雲も光るなり」。この前段部分もまた、広く知られる

 47歳で逝った芙美子と95歳の長寿を全うした鱒二。花にこと寄せて人生の機微をうたい、多くの人の心をとらえた文人の息づかいを感じる秋である。

 天風録 中国新聞 2009年9月19日
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2009年09月21日

「たまごかけごはん」卵を割り溶いてしょうゆを垂らし、ご飯にかける・・・ 天風録 八葉蓮華

 海外ツアーには必ず米を持っていく。プロゴルファー石川遼さんはご飯好きで知られる。中でも好きなのが「卵かけ」。テレビCMでも茶わんを手に笑っている。アツアツの銀シャリを、見事な黄金色に変身させるのが、卵ご飯の妙だ

 味も侮れない。卵を割り溶いてしょうゆを垂らし、ご飯にかける。シンプルそのものなのに、濃いうまみがある。安いうえに手軽とあっては、このご時世、もてはやされないわけがあるまい。ブームといわれ、広島市でも専門店を見かける

 火をつけたのは「たまごかけごはんの日」を設けた雲南市の旧吉田村だろう。毎年開くシンポは今年で5回目だ。専門の食堂が全国で初めてできたのは岡山県の美咲町。どちらも棚田の広がる米どころ

 シンポの主催者によると、最近はいろいろなバリエーションがあるという。黄身だけ入れた濃厚版や、唐辛子を加えたピリ辛版…。一工夫でさらにおいしくなるところもうれしい

 作家向田邦子さんがエッセーにつづっている。弟と二人で卵1個。母が分ける時、どうしても私の方に白身がジュルンと入ってしまう。あ、黄身は…。卵が貴重だった戦前のつましい暮らしを知る。田んぼに穂波が広がる秋。心ゆくまで味わえる茶わんの中の黄金色に手を合わせ、はしをとる。

 天風録 中国新聞 2009年9月18日
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2009年09月19日

連立政権「民社国」民主一色でなく、少し異なる色合いが交じればより多様な判断・・・ 天風録 八葉蓮華

 太くて豪快そのもの。国民新党の亀井静香代表が、3党連立政権の合意書にしたためた署名である。自民党を飛び出て苦節4年、積もる思いの発露なのか。字の勢いでは、書道の手本のように端正な民主党の鳩山由紀夫代表を圧倒していた

 2人の間に収まる社民党の福島瑞穂党首は、政治家らしからぬ丸文字風。親しみを覚えた人もいるだろう。数の上では巨大民主に埋没しそうな二つの小政党だが、党首の署名ひとつとっても個性的である

 自民時代に政治の流れを何度もつくってきた亀井氏。米国に対しても、間違っている時は「日本が羽交い締めにしてでも止めなくては」と2年前に述べるなど主張は骨っぽい。福島氏はキャッチコピーづくりの名人でもある。早速、今度の内閣を「生活再建内閣」と名づけた。ともに発信力は十分だ

 入閣に際し2人は、ほしいポストを伝えた。少ない議席をてこに、より多くを得ようということか。やりすぎれば反発を買おう。ただ圧倒的な数の力は、おごりを招きがちだ。民主一色でなく、少し異なる色合いが交じればより多様な判断もできる

 まだ耳慣れないが、「民社国」連立政権がきょう発足する。踏まれてもついて行く「げたの雪」でなく、小粒でもぴりりと辛い「山椒(さんしょう)」に2党はなれるか。

 天風録 中国新聞 2009年9月16日
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9年連続しての200安打達成「その次は」通算4256安打というピート・ローズの頂・・・ 天風録 八葉蓮華

 知らない時代に、知らない人がつくり、目にも見えない。しかし厳然たる頂としてそびえていて、後に続く者を見下ろしている。そんなスポーツの記録がある。イチロー選手が、米大リーグで108年ぶりにその頂を越えた

 9年連続しての200安打達成である。胃潰瘍(かいよう)やふくらはぎのトラブルでそれぞれ8試合を欠場した。復帰後何ごともなかったようにヒットを重ねていたが、さすがにプレッシャーは大きかったようだ。会見での第一声は「解放されました。戦いにピリオドを打つことができた」

 天才、と言われた。しかしそのたびに否定した。「天才は、なぜヒットを打ったか説明できない。しかし私はできる」。ほかの選手以上に打撃練習をし、球を見る力を磨き、体調管理にも気をつけてきた。そのたまものと言いたかったのだろう

 失敗を糧にするのもこの人らしい。「野球は失敗のスポーツ。特に打つことに関しては」。だからうれしいのは「凡打をして、凡打の理由が分かった時です」。語録にも味がある

 記録が出たら「その次は」と思うのがファン心理。かなたには通算4256安打というピート・ローズの頂がそびえる。日米をまたいでたどり着くまでにあと1000本弱に迫った。ルートの入り口が見えてきた。

 天風録 中国新聞 2009年9月15日
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2009年09月17日

ミシュラン京都・大阪版「一見さんお断り」ガイドブックとは対極にある・・・ 天風録 八葉蓮華

ちょっとした日仏摩擦らしい。星の数で料理店を格付けするフランス発祥の「ミシュランガイド」。出版間近の京都・大阪版で京の老舗に掲載を嫌われ、パリジャンの編集者が色をなした。「評価は客商売の常。嫌なら転業すべきだ」と

 もてなしの心も「味見」できますか、というのが老舗側の言い分らしい。掃き清め、打ち水をした玄関や庭。勝手知ったる客好みの味加減…。あの「一見(いちげん)さんお断り」も客の満足を思うがゆえの知恵、とも。万人受けが命のガイドブックとは対極にある

 逆に、その「ミシュラン」で日本の良さを見直すこともある。2年前に選ばれた新シリーズの名所編。京都や富士山と並び、安芸の宮島が「必見」の三つ星ランクに挙がった。フランス語版に続いて、英語版も出回っている

 おかげで「ミシュラン」片手に宮島へ渡る欧米人が増えている。海中ににょきっと立つ朱色の大鳥居。潮に洗われたかと思えば、海の底が現れる。待ち遠しいのか、満ち引きの時刻をよく尋ねてくるそうだ

 海岸やベンチで日暮れまで居残り、景色を味わっているのはたいてい外国人という。確かに地元の感覚では宮島は日帰りコース。夕焼けまで堪能する人は少なかろう。異国の「一見さん」から学ぶものもありそうだ。

 天風録 中国新聞 2009年9月14日
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2009年09月16日

先輩から後輩へ「神楽シーズンが幕開け」伝統は引き継がれる・・・ 天風録 八葉蓮華

 「神楽やってみんか。絶対面白いって」。山あいのコンビニ前で、そんな声を耳にしたのは数年前だ。派手なジャージー姿の青年が、後輩らしき少年を口説いていた。「伝統」はこうやって引き継がれるのかと感心した

 今年も神楽シーズンが幕開け。きのう広島県安芸太田町では競演大会が夜更けまで続いた。スローで優雅な旧舞に、ダイナミックな新舞。技を競う神楽団員をはじめ、客席にも若い世代が目立った

 県内では、20代以下の神楽団員が3人に1人というから意外と多い。幼いころから親しみ体になじんだリズム。古里と自分を結ぶきずなにもなっているようだ。都会に出ても仕事をやりくりし、はせ参じる人もいる

 各地に呼ばれる花形の団ともなると遠くから門をたたく若者もいる。ただ地域の子どもは減り続ける。小さな祭りで舞う昔ながらの団は、口コミの誘いでは間に合わない。そこで神楽好きの大学生たちが立ち上がった。若手団員の横の交流を仕掛け、応援し合う仕組みをつくるというから心強い

 先輩から後輩へとけいこ場で引き継がれる技。氏神様の前でなじみの顔に上達ぶりを披露し、客席と一体となって楽しむ。そんな「面白さ」も、若い力で伝えたい。くだんの少年も今、どこかの団で活躍しているだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年9月13日
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新型インフルエンザ「闘病記」自分が大流行のきっかけになってしまったら・・・ 天風録 八葉蓮華

 闘病記は道しるべのようなものかもしれない。本人はどう乗り越えたのか。家族はどう支えたのか。同じ病気になった時、先に体験した人の足跡をたどることができれば心強かろう

 広島市の安田女子中・高が先ごろ出した冊子は、新型インフルエンザに襲われた学校の「闘病記」だ。市の国際交流事業に参加した生徒ら21人が感染し、6日間休校する。その間の経過を詳しくまとめた

 「鳥肌の立つような恐怖」の中で、県内で初めてという休校を決断した校長。教員たちは毎朝、生徒全員に健康チェックと励ましの電話をかけた。冊子には教員や生徒の手記とともに、保護者向けのプリント、メールも収めている。まさに「先達」の記録である

 一番つらい思いをしたのは、感染者や濃厚接触者とされた生徒たち。「父や母、学校のみんなに、すみませんという気持ち」「自分が大流行のきっかけになってしまったら」…。しかし「いわば先駆者」と言われて元気になった、との話にほっとする

 国内で38万人余りがシ亡した約90年前のスペイン風邪。対策などをまとめた内務省の報告書が、昨年復刻された。学校閉鎖に踏み切るのが遅れたことで、感染者が増えた―との反省もある。難敵にどう立ち向かうか。読み返してみたい「国の闘病記」だ。

 天風録 中国新聞 2009年9月11日
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2009年09月15日

介護の問題「私ならどうする」12人の優しい日本人・・・ 天風録 八葉蓮華

「あの女は絶対に有罪だ」「でも何か納得できないんです」。ある事件をめぐって激しいやりとりが続く。18年前の映画「12人の優しい日本人」は、日本に陪審員制度があると仮定したストーリーだった

 意見がうまく言えなかったり、一方的に主張を押しつけたりしながらも、12人の審議は次第に白熱する。事件という人間ドラマに立ち会い、犯行の意味を自分なりに考え抜くからだ。さて、中国地方でも始まった裁判員制度。非公開の評議はどんな様子だったのだろうか

 山口地裁では、介護疲れで夫が妻を刺したサツ人未遂事件に裁判員は向き合った。凶器の包丁や被害者の傷も見せられた。「私ならどうする」。自問を交え真摯(しんし)な議論が続いたのではなかろうか。話し上手でないからと筆記で意見を伝えた人もいた

 保護観察付きの猶予判決は、被告や被害者の将来に重きを置いたと言えよう。「これからは生きがいを見つけて肩の力を抜いて人生を歩んでください」。裁判員の総意として裁判長が被告に語りかけた言葉が新鮮に響く

 映画ラストの12人と同じく、裁判員たちは安堵(あんど)の中にも結論を導いた満足感をのぞかせた。「介護の問題は社会で支えなくては」との発言も。裁く側から事件に立ち会って、より明確になる市民意識もある。

 天風録 中国新聞 2009年9月12日
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2009年09月13日

介護疲れ「私の中のあなた」家族の心までは目が届きにくい・・・ 天風録 八葉蓮華

 11歳の女の子が、一人で弁護士事務所を訪れる。姉への腎臓提供を求められているが嫌だ、両親を訴える―という。弁護士は記録を見て驚く。妹は、生まれた時から何度も、骨髄移植などのため手術を受けていた

 「白血病の娘を何とか生き延びさせたい」と両親は願った。そこで、臓器提供できるよう、遺伝子操作でドナーに適した妹が生み出されたのだ…。そんな衝撃的なストーリーの米国映画「私の中のあなた」の試写会が、広島市であった

 同名小説の映画化で、いかにも訴訟の国らしい設定だ。日本でも臓器移植法が改正され、来夏からは脳死が人の死となり、家族の承諾があれば15歳未満でも臓器提供ができるようになる。映画に似たようなことが将来起きないとは言い切れまい

 体の自由を奪っていく病気。本人だけでなく、寄り添う親やきょうだいの生活まで変える。映画は、それぞれの思いで支え合うシーンを描く。「家族の心までは目が届きにくい」。支援活動をしてきた人の言葉を思い出す

 山口地裁できのう、介護疲れから寝たきりの妻を殺害しようとした夫への温情判決があった。評議した裁判員も、いつ同じ境遇になるかもしれない。「私の中のあなた」を心から受け止めたのだろう。それで救われる人生がきっとある。

 天風録 中国新聞 2009年9月10日
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2009年09月12日

人里の鳥「心の友」スズメがこの20年で5〜8割減ったという・・・ 天風録 八葉蓮華

弱っているのを保護されたのが3カ月前。今では店の中を飛び回り、お客さんの頭にちょこんと止まったりする。本紙の広島市民版に載ったスズメの写真につられて中区の理容店を訪ねた

 「チューピーちゃん、おいで」。親代わりの岡野香さん(67)が声をかけると、広げた新聞紙にやってくる。首をかしげ、黒い目をしばたたき、あくびをする。かわいらしく、見ていて飽きない

 スズメはイネ科の植物が大好きだ。人が耕地を広げると、わっと集まってくる。巣も木造家屋のすき間にちゃっかりと。大昔から「人里の鳥」である。その近さのゆえか、人もまたやるせない時、スズメに自らの気持ちを託してきた

 「我と来て遊べや親のない雀(すずめ)」と詠んだ小林一茶。幼くして母を失い、寂しさを抱えていた人だ。「雀を思うと涙がながれます」と書いたのは北原白秋。夫婦仲のよくない親と暮らす気まずさ、その日の米にも事欠く情けなさ。慰めてくれたのは「茶色の小坊主」の無心な姿だった

 スズメがこの20年で5〜8割減ったという調査が出たのは今年の初め。山里の荒れとも関係あるのだろうか。日本人の「心の友」がピンチだとすれば大変なこと。政界ではハトの動静に注目が集まっているが、自然界のスズメの行方にも無関心ではいられない。

 天風録 中国新聞 2009年9月9日
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2009年09月11日

DNAを調べてみたら「マルミミゾウ」子どもたちの人気者・・・ 天風録 八葉蓮華

 ディズニーのアニメ「ダンボ」は、サーカスで生まれた子ゾウの話だ。耳が大きいことで仲間からいじめられるが、ある時、その大きな耳を翼代わりにして空を飛ぶ。一躍、人気者になった

 ゾウにしては小さな体に、大きくて丸い耳。モデルは「マルミミゾウ」ではないかと思わせる。すんでいるのはアフリカ西部の密林。茂みの中を移動するせいで、大草原で暮らすサバンナゾウのように大型化しなかった

 日本の動物園でアフリカのゾウといえば、ほとんどがサバンナゾウだ。広島市安佐動物公園にいる2頭のうちの1頭「メイ」も当然そうだと思われていた。ところがアフリカから8年前にやってきて、いつまでたっても大きくならない。念のためにDNAを調べてみたら…

 結果はマルミミゾウ。園も、耳を疑ったことだろう。幼い子でもすぐ覚えるゾウは動物園のスター。いまさら「間違っていました」というのも格好は悪いが、別の種類だと分かった以上は、看板も掛け直さなくてはなるまい

 ゾウは繊細な感覚を持ち、知能も高いとされる。メイも、サッカーのボールを器用にけったり、飼育員を鼻で持ち上げたり。飛ぶことまではできないけれどなかなかの「芸達者」だ。こちらのダンボも、子どもたちの人気者である。

 天風録 中国新聞 2009年9月8日
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2009年09月10日

世代交代のエネルギー「リベンジ」政権交代を担ったのは志ある若者たち・・・ 天風録 八葉蓮華

 天下分け目の合戦に敗れ、領地は3分の1に減った。「本領安堵(あんど)の約束をなぜ信じた」と内輪もめも起きる。家臣をリストラできず、「給料」は8割もカット。400年前、そんなピンチに立たされたのが毛利輝元だ

 関ケ原の戦いで西軍の総大将。広島城を明け渡し、防長2カ国に押し込められる。8カ国の大大名から徳川家康の顔色をひたすらうかがう立場へ。敗者の悲哀を、近衛龍春さんの小説「毛利は残った」は描く

 家康は容赦ない。財政難と知りながら、幕府の工事の手伝いを相次いで命じた。それでも「石にかじりついても絶対に毛利は潰(つぶ)さん」と輝元。家臣団は結束する。倹約に新田開発にと踏ん張り、どん底からの再生を果たした

 政権選択の関ケ原から1週間。自民党も、「3分の1」の憂き目にあった。「せめて再生の理念を」と若手が声を上げても、首相指名選挙に「白紙」で臨むかどうかまとまらない。失業した数百人の秘書の行方も宙に浮く

 毛利は屈辱をバネに反逆のエネルギーを持続できた。260年後の明治維新でリベンジを果たす。政権交代を担ったのは志ある若者たちだ。自民党では相も変わらず派閥幹部がけん制し合う。「自民は残った」と言えるよう、世代交代のエネルギーを引き出せるかどうか。

 天風録 中国新聞 2009年9月7日
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2009年09月09日

「敷居が高い」不義理ができるような人間関係が希薄になった表れ・・・ 天風録 八葉蓮華

 家族のように育ててくれた恩師に黙って、許されない女性と結婚した。どうにも後ろめたい。家を訪ねるのも「疵(きず)持つ足、思いなしで敷居が高い」。あす没後70年を迎える泉鏡花の「婦系図」の一節だ

 玄関をがらりと開けると、足元にあるのが敷居。戸や障子を左右に滑らせる横木である。高くてもせいぜい十数センチ。ところが、その家の人に不義理をしたりしていると、なかなかまたいで入りにくい。だから「高い」と感じてしまうのだろう

 時は流れて、住宅事情も変わった。洋風のドアになると、敷居は要らない。家の中のバリアフリー化も進む。段差が嫌われて取り除かれたり、スロープに取って代わられたりしている。だんだん存在感が薄れつつある

 それでも言葉は生きている。ただ意味合いがちょっと違ってきているようだ。「あのブランドショップは高級すぎて敷居が高い」。こんな言い方をしている人が30代以下では7割を超すことが、文化庁の調査で分かった

 申し訳ないと思いつつもこうなってしまった、という含みが「不義理」にはある。浮かぶのは「結婚をめぐるトラブル」「返せないままの借金」などのイメージだ。慣用句の「誤用」が広がったのは、不義理ができるような人間関係が希薄になった表れなのだろうか。

 天風録 中国新聞 2009年9月6日
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2009年09月08日

職人技の素晴らしさ「使い手」を発掘し、「作り手」を育て・・・ 天風録 八葉蓮華

 懐かしいような、新しいような不思議な電気スタンドである。ケヤキを柔らかく削り出した軸。キノコ形に和紙を張ったかさ。開設60周年になる鳥取市の鳥取民芸美術館で、思わず見とれた

 初代館長を務めた医師の故吉田璋也さんがデザインし、地元の職人に頼んで作ってもらったという。材料の木、紙、漆などの材料はすべて鳥取産。小津安二郎監督の名作「麦秋」などにも、同じスタンドが小道具として、さりげなく登場する

 収集した古い民芸品とともに家具、焼き物、染織、和紙など自らプロデュースした品物も並んでいる。職人たちを励まし、経済面でも支えた。手仕事に光を当てて「民芸運動の父」と呼ばれる柳宗悦と親交が深く、「民芸の母」と呼ばれることもある

 職人技の素晴らしさを広く知ってもらう美術館と相前後して、東京と鳥取に販売店を開いた。後にはその器で味わう料理店までオープンしている。「使い手」を発掘し、「作り手」を育てようとする吉田さんの発想には感心する

 くだんのスタンドは半世紀以上を経た現在も、後を継いだ職人の手で作られている。長年使って傷んでも、修理してもらえる。だから愛着もいっそう深まる。まだまだ「使い捨て」が幅を利かすご時世。小さな灯を見守っていきたい。

 天風録 中国新聞 2009年9月5日
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2009年09月07日

門が閉められないうちに「天下り」くやしくば尋ね来て見よ・・・ 天風録 八葉蓮華

「くやしくば尋ね来て見よ松ケ岡」と川柳に言う。鎌倉の松ケ岡にあったのが「駆け込み寺」として知られる東慶寺だ。妻からは、なかなか離婚ができなかったその昔。多くの女たちが夫のもとを抜け出して、この寺の門をたたいた

 結界の内側に入ってしまいさえすれば、もう夫といえども手出しはできない。悔しかったらここまでおいで、という言い方に、その身を保証された解放感が伝わってくる。下って今の世の中には、別の「門」があるとみえる

 厚生労働省や文部科学省などの元幹部が、次々に関連の団体に天下っている。「天下り」に厳しい姿勢で臨もうとする民主党が政権につくのが16日。門が閉められないうちにわれもわれも、と駆け込んでいるかのようだ

 その中に農林水産省の前事務次官の名が見える。「名ばかり検査」で事故米が広がり、大騒ぎになったのはちょうど昨年の今ごろ。それでも「私どもに責任があるとは考えていない」と言い、官房長官にしかられて辞任せざるを得なかった人である

 年俸1860万円で迎えるのは、事業の多くを国の補助金に頼る水産関係の団体だ。事件でいまだに大きな痛手を引きずっている食品業者や米屋さんからしたら、とんでもないことだろう。こじ開けたい門もある。

 天風録 中国新聞 2009年9月4日
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