2009年08月26日

「リレー・フォー・ライフ」2人に1人はがんになる時代。手を携えて歩んでいければ・・・ 天風録 八葉蓮華

 「みんなで、夜歩く。ただそれだけのことが、どうしてこんなに特別なんだろう」。映画にもなった恩田陸さんの小説「夜のピクニック」に、主人公の女生徒たちが語り合う場面がある

 24時間かけて80キロを全校生徒が歩き通す高校の伝統行事をテーマにした物語。恋や勉強、進路…と悩み多い青春の日々。汗びっしょりになって一緒に歩けば、普段は話しにくい人にも声を掛けられる。そんな効用も大きいに違いない

 夜通し歩くイベントが来月22日から2日間、広島市の旧広島市民球場で開かれる。こちらは、がんの患者や経験者が主役。「リレー・フォー・ライフ」(命のリレー)と名付けて、患者、家族、市民がたすきをつないで1周400メートルのグラウンドを巡る

 同じ病気を経験していても、病状や悩みとなるとなかなか面と向かって切り出せない。初対面なら、なおさらだ。それが、並んで歩きながらであれば話しやすくなる。受け身でなく、自ら動くことで心も通じ合うのだろう

 米国で20年以上の歴史があるが、日本では3年前に始まったばかり。「独りで悩んでいる人の力になりたくて」。悪性リンパ腫(しゅ)と闘いながらイベントの準備に駆け付けた主婦もいる。2人に1人はがんになる時代。手を携えて歩んでいければと願う。

 天風録 中国新聞 2009年8月24日
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スピードにこだわるのは「伝説になるため」ダイナミックな走りで風を切る・・・ 天風録 八葉蓮華

 人はなぜスピードにこだわるのだろう。カナダ・カルガリーで21年前にあった冬のオリンピック。「氷上のF1」と呼ばれるボブスレー競技に、熱帯の国ジャマイカのチームが出場した。後に米国で「クール・ランニング」という映画になる

 五輪を目指す陸上選手が主人公。選考レースで転倒し、出場の夢はついえかけた。そこで別のスピード競技に挑戦するストーリー。「寒さが大の苦手」というウサイン・ボルト選手なら成り立たなかっただろう

 北京五輪での活躍から1年、世界最速の男はさらに進化していた。100メートルと200メートルで自らの記録を塗り替えた。2メートル近い長身を生かしたダイナミックな走りで風を切る。広島県とほぼ同じ人口の小国が生んだ天才に、再び見とれた

 国技ともいわれる陸上。1世紀近く続くジュニアの大会は特に関心が高く「原石」を探すプロも見つめる。ボルト選手が発掘されたのも、その大会だった。なるほど、英才教育の道を開く独特の仕組みだ

 映画の主人公は、思わぬアクシデントを乗り越えた。ボルト選手も、春に交通事故を起こして足の手術をしたが、あきらめなかった。スピードにこだわるのは「伝説になるため」。観客のホットな声援を浴びながらもクール・ランニングだったように見える。

 天風録 中国新聞 2009年8月23日
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