2009年08月15日

鉄づくりツアー「産業のコメ」盆も正月もない・・・ 天風録 八葉蓮華

 鉄板1キロの市場価格はおよそ70円という。同じぐらいの重さといえば大根1本。スーパーで150円ぐらいだから、鉄は大根より安いといえる。それでいて用途は広い。ビルを支え、自動車や鉄道に変身し、機械となってさまざまな物を生み出す

 地球にはふんだんに鉄がある。だから安く調達できる。求めやすい上に、それなしでは産業が成り立たない。そこから「産業のコメ」とも呼ばれてきた。夏休みの鉄づくりツアーで、その現場を見た

 福山市にあるJFEスチールの製鉄所。マツダスタジアムの千倍近い広大な構内に、100メートルの溶鉱炉がそそり立つ。中でも迫力があるのは圧延ラインだ。真っ赤に焼けた鉄の塊が、4千トンの力で数ミリの薄板に加工される

 温度は千度に達する。20〜30メートル離れた見学ルートにいても、その瞬間には熱がワッと襲いかかり、体中から汗が噴き出した。今でこそ現場にほとんど人はいないが、自動化する前は、さぞ厳しい作業だっただろう

 不況の影響で4基の高炉も1基は休止している。「産業のコメ」としての存在感もやや薄れがち。しかしエコカーに使われる薄くて強い高張力鋼板などは、製鉄所でしかつくれない。盆も正月もない高炉に向かって「頑張っているね」とそっとつぶやく。

 天風録 中国新聞 2009年8月14日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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