地球にはふんだんに鉄がある。だから安く調達できる。求めやすい上に、それなしでは産業が成り立たない。そこから「産業のコメ」とも呼ばれてきた。夏休みの鉄づくりツアーで、その現場を見た
福山市にあるJFEスチールの製鉄所。マツダスタジアムの千倍近い広大な構内に、100メートルの溶鉱炉がそそり立つ。中でも迫力があるのは圧延ラインだ。真っ赤に焼けた鉄の塊が、4千トンの力で数ミリの薄板に加工される
温度は千度に達する。20〜30メートル離れた見学ルートにいても、その瞬間には熱がワッと襲いかかり、体中から汗が噴き出した。今でこそ現場にほとんど人はいないが、自動化する前は、さぞ厳しい作業だっただろう
不況の影響で4基の高炉も1基は休止している。「産業のコメ」としての存在感もやや薄れがち。しかしエコカーに使われる薄くて強い高張力鋼板などは、製鉄所でしかつくれない。盆も正月もない高炉に向かって「頑張っているね」とそっとつぶやく。
天風録 中国新聞 2009年8月14日
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