2009年08月12日

気まぐれな天候「甲子園」水の如くなくてならない人になれ・・・ 天風録 八葉蓮華

 三原の街は、昔から水との縁が深い。戦国時代に築かれた城は、湾内の小島をつないだ水軍の要塞(ようさい)が原型。堀には海の水を巧みに引き込み、満潮ともなれば一層際立つ姿から「浮城」とも呼ばれた

 この街から夏の全国高校野球大会に出場した、広島県代表の如水館が古豪の高知と対戦。2日続けて試合途中に雨が激しくなり、ノーゲームとなった。接近してきた台風のせいとはいえ、連続の水入りは、甲子園の歴史でも例がないらしい

 一昨日は、2―0と如水館が先制していた三回に雨が強くなった。きのうは逆に序盤リードを許し、逆転した後に6―5まで詰め寄られた五回での中断だった。きょうの第4試合で、あらためて決着をつけることになる

 「勝ってもいないのに3試合やらせてもらえる」とは、高知の監督の弁。やや分が悪かっただけに、調整法の見直しに向けて厳しい顔つきだ。対する如水館のエースは「気持ちを切り替え勝負するだけ」と、3連投の覚悟をしているのが頼もしい

 「水の如(ごと)くなくてならない人になれ」が如水館の建学の精神。気まぐれな天候を味方に付けるには、変幻自在の水軍の心構えで立ち向かうことだろう。映画監督大林宣彦さんが水をテーマに作詞した校歌もある。歓喜の旋律を甲子園でぜひ聞きたい。

 天風録 中国新聞 2009年8月11日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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